531.【2】 ページ31
［和side］
翔にぃがタオルを
外してくれたけど…
目を開けたらまた気持ち悪くなりそうで
それならこのまま瞑ってたいって思った。
翔「ほら、大丈夫だから開けてごらん？」
目の上にのせられた翔にぃの手は温かい。
「…グルグルに、ならない？」
翔「うん、ゆっくり開けて？」
「ん…」
薄っすら目を開けたら、翔にぃの手が見えた。
「ふふ。翔にぃの手だ。」
その手をぎゅっと掴まえた。
翔「大丈夫だっただろ？起きてみよっか。」
体を起こしてみたけど
今度はグルグルしない。
「だいじょーぶ、みたい。」
翔にぃは「よかったな」って優しく頭を
撫でてくれて、そのまま支えて
リビングまで連れてってくれた。
翔「うまい！和は食べたの？」
「うん、食べた…」
小さく呟いたのに、智にぃに「え〜？
食べたくないって言って
食べなかったの誰だっけ？」って
言われてバレちゃった。笑
翔「ちょっとでいいから食べなよ。ほら」
「いらないよ？」
差し出されたパンを押し返して
翔にぃの肩に頭をのせる。
翔「ほれ、あーん。」
今度は口の前にパンを差し出してきた翔にぃ。
一口より小さめにちぎられたパンを見たら
自然と口が開いた。
「あー」
翔「お、えらい、えらい」
「ん、おいし。」
翔「だろ？ほら、目玉焼きも美味いよ！」
「あー」
智にぃの作る目玉焼きは、いつだって美味い。
翔「ほら、ベーコンも食え。」
「あー」
いつの間にか智にぃは、俺のご飯を
運んできてて、翔にぃがそれを口に
運んで食べさせてくれてた。
翔「えらい。いっぱい食べれたな。」
頭を撫でてくれる手が心地よくて
ソファーに移動した後も、
テレビを観てる翔にぃの膝に頭をのせて
ずっと撫でてもらってた。
だんだん、翔にぃの手が動かなくなってきて
見上げたらウトウトしてる…
そういえば、俺が我儘言っちゃったけど
当直明けだったんだ。
智「…しょう？ベッドで休んでおいで？」
しばらくして、気が付いた智にぃが
声を掛けてくれた。
翔にぃは「今日は明け休みだから、平気。
和といるよ？」って言ってくれたんだけど。
智にぃが「俺が一緒にいるから、大丈夫。
休んできて？」ってベッドに促してくれて…
智「和も少し寝る？」
「んーん」
智「俺の部屋来る？」
頷いたらふにゃっと笑って、俺の手を
引いて部屋に連れてってくれた。
ベッドに寝せてくれて、
隣で雑誌を読んでる。
心地良い空気感の中に居たら、
いつの間にか眠っていた…
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作者名：空
| 作成日時：2013年3月24日 11時
