519.【胸痛】 ページ19
［潤side］
翔「こら、和！
まだ終わってないだろ！」
和は部屋からリビングにバタバタと
逃げてきた。
雅「はい、捕まえた〜！」
和「やだ、雅にぃ…」
雅「いいから。ほら、座って？」
雅にぃは和の腕を離して
ソファーに座らせてやった。
翔「苦しいのに、そんな走るなよ…もう…」
翔にぃの言葉通り、和は胸をギュッと掴んで
浅い呼吸を繰り返している。
智「あら…また痛くなった？」
洗濯してた智にぃも心配そうに覗き込む。
翔「やっぱり退院が早かったかも…
言うこと全然聞かないし。」
苦笑いした翔にぃは「失敗した…」って
小さく呟いた。
発作の前兆があるとかで
和は昨日まで4日間入院してた。
智「かず？翔の言うこと聞くって約束でしょ？
病院じゃなくても、頑張るって言ったのは
和でしょ？」
和「…だって、翔にぃが…」
智「ん？」
和「ぎゅーって…するんだもん…」
マッサージが嫌で逃げてきたのか…
拗ねた和は、翔にぃのことを睨んで
ぷぃっと顔を背ける。
翔「胸の筋肉がね、だいぶ硬くなってる…
だから、苦しいし、痛いんだろうけど。」
和に聞こえないように小声で呟く翔にぃ。
雅「かず〜、ゆっくりね、呼吸するよ？」
その間に雅にぃが背中をさすって
ラクになるように助けてくれてる。
翔「雅紀、少し落ち着いたらラグに
寝かせてくれる？」
和「やだ！」
雅にぃが頷くより先に拒否する和。笑
翔「嫌なの分かるけどさ、やらなかったら
もっと苦しくなるよ？」
和の呼吸を気にして、あまり刺激しない様に
気を付けてる翔にぃは、優しく頭を撫でた。
雅「ほら、頑張ったらラクになるから」
和「頑張るから、ギュッてしないで？」
大人しくラグに寝転んだけど
言ってることメチャクチャ…
翔「いや。笑
ギュッてするから頑張って？」
和「むぅ…」
翔「はは。拗ねてもだーめ」
和「やだ〜、くる、しい…」
翔「ほら、手どけて？
そんな力入れるなよ…かーず。」
和の手をパシパシ払って、
笑いながら胸に手のひらを当てて
ぎゅーって力を加えていく翔にぃ。
翔「かーず、力抜けって。頼むから…」
和「やーだー、くる、しい…おしまい。」
入院してるときも散々、駄々こねてたから
この光景は見慣れている…笑
翔「いつまで経っても終わらないよ？」
和「やだ。たすけて…？」
雅にぃに向かって手を伸ばす和。
翔「だめだよ、和。その作戦は禁止！笑」
だけど、翔にぃにあっさり手を戻され
またマッサージを始められる…笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年3月24日 11時
