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［智にぃside］
翔は過呼吸を
起こした和を苦しそうに
見つめて何か呟いた後、
涙をポロポロ流して泣いている…
「おいで、翔。
お前は何にも悪くない。悪くないよ…」
抱きしめたら俺の腕の中で、
翔は何度も「でも…」って呟く。
「翔が責任感じることない。
大丈夫だよ。ね？」
翔「ん…」
「和はさ、まだ子どもだから。
分かったって言っても一度では理解しきれない
事もあるよ。でも、もう同じ間違えは
しないから。ね？」
翔「ん。ありがと…」
翔は俺の胸にピタッとくっついて
何度か深呼吸した後、涙を拭いて
ニコッと笑って和を見た。
呼吸が落ち着いた和は、雅紀の腕の中で
ウトウトしている。
翔「今日は俺のベッドで寝かせてもいい？
薬さ、ちょっと飲みすぎだから心配だし
明日、夕方くらいまで起きないと思うから。」
いつものお医者さんに戻った翔は
和の頭を優しく撫でながら呟いた。
頷いた俺らは和を翔のベッドに寝かせた。
翔「智にぃ、ありがとね…」
和の隣に寝た翔は、寝顔を覗きながら
ベッドサイドの俺にお礼を言う。
「いや、俺こそありがとうだよ？
いつもね、ほんと助かってる。ね、和？」
俺の言葉に翔は嬉しそうに、
でも恥ずかしそうに笑って目を閉じた。
翔の体はピッタリと和に寄せられていて
手は和のお腹をポンポンと叩いている…
「ふふ。ありがとね、翔…」
俺は恥ずかしがって、目を開けない翔の
頭を撫でながら、小さく呟いて部屋を出た。
「かず、どう？」
翌朝、翔の部屋を覗いたら
丁度、聴診をしてやってるところだった。
翔「見ての通りいい子。笑
ちょっとね、微熱だけど呼吸も心配ないし。
目が覚めるまでは、少し心配だけどね」
そう言いながら翔は頭をクシャクシャっと
撫でて笑った。
スースーと寝息を立てて
翔のベッドで寝ている和は
本当に幸せそうで、安心しきった顔をしてる…
寝れない日が続いて、でも病院が恐くて…
一人で悩んでたであろう日々を思うと
可哀想になってしまうけど…
でもね、和？お前のことを、こんなにも
大事に思ってくれてる人が居るんだから。
一人で悩むのはやめた方がいいよ？
俺は和の心に届くように何度も
心の中で呟いた。
その甲斐あってか…笑
「しょ、にぃ。いっしょねて？」
「眠くなる薬ちょうだい？」
その後、カウンセリングにも足を運んだ和は
病院で処方された睡眠薬を
たまに服用している。
そして何より、翔にべったりだ…
益々、甘えんぼさんになっちゃったね。笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年3月24日 11時
