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［翔にぃside］
智にぃの声掛けに
ゆっくりと視線を移した和。
智「汗かいちゃったね…」
和「ん…」
優しく触れた智にぃの手に、僅かだけど
反応した和は小さく声を出した。
智「もうね、何も心配しなくていいよ」
和は涙をポロポロ流しながら、
今度は視線を俺に移した。
智「翔いたね…」
和の目が恐怖で揺れている…
俺が子どもを押さえつけている所を
見られてしまったみたいだし、無理はない…
智「かず？あれ、誰？」
そんな和に智にぃは優しく問い掛ける…
和「…？」
見上げて首を傾げている和。
智「ん？だーれ？」
和「…にぃ。しょ、にぃ」
智「ふふ、そうだね。きてーってする？」
和「ん…。…ない」
視線を俺に向けたまま何か考えながら
恐怖心と闘ってる和…
「いいよ、智にぃ。恐がってるから」
智「そんなことないよ。へーき。
和は翔のこと恐がったりしないよ？ね？」
なぜか自信たっぷりに笑った智にぃは
「翔のこと大好きだもんね〜。呼ばないと
きてくれないよ〜？」って言いながら
優しく和の頭を撫でる。
和「ん…、しょ、にぃ…」
俺の方をじっと見たまま、和が呼んでいる…
智「かず、きてーって言わなきゃ。笑」
戸惑ってる俺を、からかう智にぃ。
和「しょ、にぃ…きて…？」
今の和は素直だから
智にぃに言われた通りに俺を呼んでくれる…
「かず…きたよ…」
俺が頭を撫でてる間に
智にぃが手の拘束をそっと外してくれた。
和「…苦しいの、治してくれたの…翔にぃ？
ありがと…う」
小さく呟いた和は
ニコッと笑って俺に手を伸ばしてくる。
フラッシュバックを起こした後でも
俺を恐がらずに認識してくれたことが
すごく嬉しくて、和の手をギュッと握って
抱きしめた。
お風呂から出てきた、雅紀と潤も
嬉しそうに和の傍に寄っていって…
潤なんて、和のベッドにすっかり落ち着いて
しまっている。
和「じゅん、ここで寝るの？」
ウトウトし出した潤に
声を掛ける和はお兄ちゃんに見える。
「心配して、いっぱい泣いたから
疲れちゃったんだよな〜。笑」
俺がからかったら「あっ！言わないで！
そんな泣いてない！」って恥ずかしがって
布団に隠れちゃった…
和「…ごめんね。も、大丈夫」
隠れた潤に向かって優しく呟く和は
やっぱりお兄ちゃんで…
恥ずかしくなって出てこれなくなった潤は
やっぱり末っ子で…
雅「よし、今日はみんなで寝よう」
なんて言い出す雅紀は
やっぱり真ん中っ子…
うん。今日も良い家族だ…笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年3月24日 11時
