501.【弟の看病】 ページ1
［翔にぃside］
玄関を開けたら
リビングから元気に
走ってきて「おかえり」って叫ぶ和。
俺に支えられた潤を見て「ねぇ、
どーだった？」って心配そうに尋ねてくる。
「やっぱり、インフルエンザだった」
和「おれ、うつらないよね？」
俺が頷くと、和は「じゃあ、元気に
なるまで俺が傍にいるから」って
潤を反対側から支えてくれた。
その素直な発言に照れてる潤…
潤、気持ち分かるよ。笑
和は真っ直ぐに愛情を
表現してくるからね、照れるよね。
和「じゅん、体痛い？」
和は数週間前に、同じ型のインフルエンザに
感染しているから潤の辛さが分かるのだろう。
潤「…鼻が、いたい」
和「え？何で？」
「まだ痛いの？可哀想に…笑」
俺がいたずらっぽく笑ったら、潤も苦笑い…
和は俺と潤を見て、
状況が掴めず、目をぱちぱちしてる。笑
「インフルエンザの検査の時にね、
ビックリして動いたんだよな？」
潤「言わないでよ…」
「はは、拗ねんなって。」
潤「すげー、痛かった…」
熱のせいで潤んだ目で見上げてくる潤は
どっから見ても末っ子。
和「じゅん、可哀想…」
和も検査は大嫌いだから、自分のことみたいに
痛そうな顔して呟やきながら
頭を「よしよし」って撫でてやった。
潤は今回、俺らとの約束を守ってくれた。
起きて早々「体、怠い…」って
自分から申告してくれたんだ。
その時は微熱程度だったから、我慢することも
出来ただろうに…
自分の体のことを、きちんと優先するのは
潤にとっては難しい選択だったと思う。
でも、きちんと自分の体を大切にしてくれて
俺はすごく嬉しかった。
だから、病院に行く途中にも
これでもか。ってくらい褒めたおした。笑
和「翔にぃ。冷えピタ貼っていい？」
俺が頷いたら、バタバタと部屋を
飛び出していく和。
いつかも潤が和の看病をして、
バタバタと走り回っていたのを思い出して
頬が緩む。
相思相愛ってわけか…笑
和「お待たせ、じゅん」
「じゅん？お粥作ってくるから。
何かあったら和に言ってね？」
潤は嬉しそうに頷いた。
「和、お願いね」
和「うん、分かった」
笑顔で頷いた和を、潤はじーっと
見つめている。
きっと和が元気なことが、今の潤にとっては
何よりも嬉しいのだろう…
だけど、和も弟の看病が出来て嬉しいはず。
しばらくは和に任せようかな。
お互いに大切な気持ちでいっぱいだなんて
すごい素敵だよね。
にぃちゃんは嬉しいよ…笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年3月24日 11時
