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［翔にぃside］
智にぃ来たから
慌てて、潤んだ目を拭った。
「泣いてないで」ってからかうんだもん。
智「で？何で素直に謝らないの？」
「…」
そんなの分からないよ…
素直になれるもんなら、なりたいけど。笑
俯いたらケラケラ笑う智にぃ。
智「父ちゃんには敵わないよ？」
「ふふ…知ってる」
智「じゃあ、素直に謝りなよ。笑」
「…って」
智「ふふ。怒られるって分かってることばっか
やるんだから。」
智にぃは笑いながら「翔と雅紀は懲りないよね。
俺なんか1回叱られたら懲りるのに」って。
それが利口だと思うよ。笑
雅紀は幼い頃から、叱られてるのに膝の上に
のっていっちゃうような子だし。
何か俺だけツンツンして損してる気分。笑
智「母ちゃんは、ただ単に心配してたよ。
たかがピアスだけど、やっぱり体に傷を
付けるわけだからさ」
そっか…
そういう意味での心配もあるんだね。
俺は親心が分からない。笑
智「それでさ、お前は何でいつもここに
逃げ込むのさ。ここは俺の楽園なのに〜。笑」
「はぁ〜、ベッド最高っ！」って
ダイブした智にぃは目を閉じた。
お昼寝大好きだもんね。
「ありがと、智にぃ…」
お礼を呟いて部屋をそっと抜け出す。
リビングに降りてったら、雅紀がニコッとして
部屋に入っていく。
何だかんだ雅紀も空気を読んでくれて。笑
ツンツンしてる餓鬼は俺だけってことか。
「…勝手にやって、ごめんなさい…」
黙って頷いた親父と「翔のことは信じてるから。
でもあんまり心配掛けないでね〜」って
笑う母さん。
こんなあったかい空気に包まれてるのに
俺は何でこんなにツンツンしてんだ？
不思議。
母「風呂、冷めるから入っておいで？」
父「ちゃんと消毒しろよ？」
「…はい」
親父は筋が通っててカッコいい。
小さい頃から憧れだったなって思い出す。
色んなこと教えてくれて、色んな所に
連れてってくれたんだ。
俺も大人になったら親父みたいになりたい。
今はまだまだ、そんなこと言えないけどね。
恥ずかしいし、カッコわりーし。
でも、この背中を見て、もう少し大人に
なろうって思った。
また反抗して叱られるかもしれないけど
それでも懲りないから。
よろしくお願いします。笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年10月5日 20時
