4.【雅紀のやきもち】 ページ4
［翔にぃside］
潤「しょーちゃ！」
「はいはい…おはよう」
潤「きゃっ！」
リビングでのんびりしてたら足もとにきて
抱っこをせがむ潤。
まったくさ…甘え上手なんだから。
俺だってさ、もちろん可愛いとは思ってるよ？
でも何かさ、それを上手く表現できない。
そんな俺の気など知るはずもなく、
膝の上に乗せた潤は「ぎゅっ！」って笑って
俺の胸に引っ付いてくる。
可愛い奴め。笑
雅「ねぇ、翔ちゃん！笑」
雅紀が俺に構ってオーラを出しながら
隣に座ってくる。
「ちゃん付けんなって言ってんだろ？
兄貴なんだからな？」
雅「…あひゃ！はーい！」
もともと雅紀がふざけて「翔ちゃん！」って
呼ぶから、潤が真似して「しょーちゃ！」って
呼ぶようになったんだから…
どうにかしろ。笑
雅「ねぇ、ここ教えて？」
珍しく、教科書持ってる。
「どこ？」
雅「えーっとね、…」
潤「しょーちゃ！」
潤は俺の気が雅紀にいってしまうのが嫌なのか
割り込んでくる。
「ちょっと、待てって…」
潤「きゃっ！ぎゅー」
手を払いのけたのに、それを構ってもらったと
勘違いしたらしくテンション上がってる。
母「じゅん？お兄ちゃん達、お勉強
なんだって。こっちおいで？」
潤「やっ！」
プイッと顔を背ける潤。
雅「いーよ、俺は後で。また後で教えて？」
雅紀は「お前も翔ちゃんが好きなんだもんね」
って潤に優しく笑い掛けてゲームを始めた。
何気にまた「翔ちゃん」って呼びやがった。笑
母「優しいお兄ちゃんね〜。ありがとうは？」
潤「あーとっ！」
雅紀は潤の「あーとっ！」にニコッと
振り向いてまた画面に視線を戻す。
何がありがとうか何てさ、分かってないくせに
それで許されるのって赤ちゃんの特権。
後で雅紀に八つ当たりされても
知らねーからな？
ニコニコしやがって。笑
俺らに背を向けてピコピコとゲームをする
雅紀が何か寂しそうに見えて。
自分でいうのもなんだけどさ、
いつも「翔にぃ！」って寄ってきてさ。
それを1番に優先してたから。
何となく、何かね。
気になったんだ…
夕食も終わり「雅紀？分かんないとこ
みてやろっか？」って声掛けたんだけど…
雅「あー、いいや。何か眠くなっちゃったし」
気分がのらないと勉強しないのが
こいつの特徴でもあるからね。
無理に誘っても無駄だ。笑
そう思った俺は「また何かあったら言えよ？」
ってだけ伝えて部屋に戻った。
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作者名：空
| 作成日時：2013年10月5日 20時
