28.【初めての…】 ページ28
［智にぃside］
雅「かず？
言ってごらん？」
和「…？」
雅「まーくん！ほら！」
和「…？」
風呂上りの和を捕まえて、必死になって名前を
覚えさせようとする雅紀。
翔「おまえ〜、欲出して『くん』とか
付けんなよ〜」
翔がからかいながら「ま！なら可能性
あんじゃね？」ってケラケラ笑う。
雅「いいんだもん！俺が一番最初に和に名前
呼んでもらうんだから！」
翔「無理無理〜！笑」
雅「むぅ…いじわるっ！」
母「雅紀の一生懸命さは伝わるわよ〜。笑
ねぇ、かず？」
和「きゃっ！」
そう言いながらも母ちゃんは
「風邪引いちゃう〜。笑」って、和をさり気なく
雅紀から遠ざけた。笑
代わりに、先に髪の毛を乾かしてた潤を
ちゃっかり膝に乗せてね。笑
雅「潤は言えるもんな〜？」
潤「…？」
雅「まーくん。って」
潤「きゃっ！ましゃっ！」
雅「ちーがーうー！」
翔がゲームしながら「ブハハッ！」って
豪快に笑う。
潤にとって雅紀は「ましゃ！」でしか
ないんだから。
でも、普段は飽きっぽい雅紀が数日経っても
諦めることなく「まーくん」って特訓してる。
和「あっ！」
雅「このプリンはまーくんの！
ちゃんと呼べたらあげるよ？」
デザートのプリンを目の前に差し出して
それを餌につってる。
翔「まーさー？和は犬じゃねーよ？」
翔が「犬と間違えてんじゃねーの？笑」って
からかってケラケラ笑う。
雅「分かってる。犬の方が利口だもん！」
翔「ひで〜。やだねー、かず。おいで？」
翔がプリンをチラつかすから「きゃっ！」って
ハイハイで向かおうとする。
雅「だーめー！」
和「や〜…」
和の服の首元を引っ張って止める雅紀。
まったく、何やってんだか…笑
雅「ほら、あげるから」
和「きゃっ！」
機嫌を損ねた和だったけどプリンを渡されて
大人しくなった。
和は雅紀を見上げて「あけて？」って
可愛くアピール。
雅「まーくん。」
和「…？」
まったく通じてないんだもん。
笑っちゃう。
和が喋れたら間違えなく「早く開けろ！」って
言われてるよ？笑
雅「食べたいんでしょ？」
和「きゃっ！」
雅「じゃあ、まーくんにお願いして？」
自分が「まーくん」なんだと猛アピール…
和「…？」
雅「だからね、お前はかず。俺がまーくん」
父「家の中で誰も呼んでないんだから
そりゃ無理だろ…笑」
黙って見てた父ちゃんも思わず口を挟む。
雅紀は「むぅ…」って膨れて
和からプリンを取り上げた。笑
和「ぎゃ〜」
あーあ…
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作者名：空
| 作成日時：2013年10月5日 20時
