25.【2】 ページ25
［智にぃside］
父ちゃんが帰宅して
車で病院に
連れて行ってもらった。
翔は怪我してるけど、まぁ元気そうで。
双子にベッドを譲って座っていた。笑
雅「ビックリしたんだからね〜？
でも、よかった！！」
翔「…！ちょ、バカ！痛いんだって！！」
雅紀は勢いよく抱きつこうとして
「あひゃ！ごめんっ！」って。
そっと抱きついた。
結局は抱きつくんだね。笑
車の中でもずっと「ねぇ、ほんとに平気？」
「怪我だけ？」って、すごい心配してたから。
会えてやっとホッとしたんだろうね。
父「頼まれてた物、持ってきたからな？」
翔「ん。ありがとう…」
父「夜中でも、痛くなったら我慢しないで
看護師さんのこと呼んでいいんだからな？」
翔「ん、はい…」
いつもは、どちらかと口数の少ない照れ屋な
父ちゃんが翔の背中を優しくさする。
口には出さないけど、かなり心配してた事が
分かる。
反抗ばっかの翔も嬉しそうに笑ってるし。
母「お兄ちゃんにバイバイは？」
潤「しょーちゃっ！」
翔「はは！うん、ばいばい。」
和「ばっ！」
翔「そうだね、ばいばい。」
頭を撫ででもらった双子は嬉しそうに
父ちゃんと母ちゃんに抱っこされて。
母「じゃあ、また明日ね。」
翔「ん、ごめん、ありがと…」
今日はやけに素直。
照れて下向いちゃってるけどね。笑
［翔にぃside］
みんなが帰った病室は静まりかえって
何だか寂しくて…
寝ようって思ったけど、全然眠くならない。
そんな時、コンコンって先生がきた。
医「調子はどう？痛む？」
病院に運ばれてきた時に、痛み止めを打って
くれたあの先生。
俺の担当医なんだって。
「…しが、足が痛いです。」
医「骨折してるからね…。もう少ししたら
鎮痛剤、追加してあげるからね」
ニコッと笑った先生はベッドサイドに椅子を
持ってきて座った。
医「翔くんの家族は沢山いるんだな。」
「…はい」
医「双子ちゃんも可愛かったよ〜？
人見知りされたけどね〜。笑」
「…ふふ」
先生は俺が初めての入院になって心細いこと、
緊張してることを分かってくれているみたい。
それからしばらく色んな話をしてくれて。
お医者さんって、看護師さんに指示出すだけで
患者さんの世話はしてくれないのかと
思ってたけど、実際は違うみたい。
先生のお蔭で、足の痛みも忘れられてた。
寝る時間に合わせて鎮痛剤を投与してくれて
「いつでも押していいから」って
傍にナースコールを置いて出ていった…
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作者名：空
| 作成日時：2013年10月5日 20時
