5人で生きてゆく…【双子の誕生】 (ページ2)

今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:779,980 hit

2.【1年後…】ページ2

［NOside］

母「いってらっしゃい！」

潤「ばっ！」

和「あっ！」

母親に抱かれて玄関まで兄達を
見送りに来た双子は1歳を過ぎた。

雅「俺、翔にぃと一緒に学校行きたかった…」

玄関でブツブツ拗ねているのが14歳の雅紀。

この春、1つ年上の翔が高校に入学してしまい
学校が離れてしまったことを
今だに受け入れられていない。笑

翔「途中まで一緒に行ってやるから。笑」

ケラケラ笑いながらも、そんな弟を可愛がって
いるのが、進学校に入学した翔。

智「じゃあ、俺も一緒に行こっと。」

双子に「いってきます」のチューをして
最後にマイペースに家を出てきたのが
長男の智。高校2年生だ。

雅「智にぃと翔にぃは電車も一緒じゃん…」

智翔「…笑」

こんな拗ねてても、なんだかんだ、
この間まで末っ子だった雅紀が
兄達は可愛くて仕方ないんだ。

翔「お前、来月テストだろ？
親父が心配してたよ。勉強見てやれって」

雅「えー、いいよ。俺さ、バスケで
推薦してもらうから。」

智「翔と同じ高校じゃなくていいの？」

雅「うん。そんなのとっくに諦めた！あひゃ！
どう頑張っても無理だもん、俺。」

智翔「ふーん」

雅紀は翔が高校に受かってから「来年、俺も
絶対同じところに行くから」って断言。

まぁ、無理な話だって雅紀以外は知ってたけど
誰もそこには触れなかった。笑

目標をもって頑張るのは良いことだから。

でも、自分で気が付いたらしい。

それならそれで、やっぱり家族は
何も言わない。笑

子どもにはそれぞれ個性がある。

得意なこと、不得意なこともそれぞれで
他の誰とも同じではない。

両親はそのことを、よく分かっていた。

そして、それが子育ての面白みだと
よく話している。

潤「まんまっ！」

和「あっ！」

この2人も例外ではない。

1歳を過ぎて、ご飯のことを「まんまっ！」と
言ったり、兄達を頭文字で呼んだりと
どちらかと言ったら言葉が出るのが早い潤。

一方の和は指差しして「あっ！」が
今のところ精一杯。

同じ環境で育てても、こうも違いが出ることに
両親は毎日、新たな発見をして
小さなことでも喜んで楽しんだ。

それは、兄達が反抗期を迎えても変わらない。

智とは、また一味違う反抗をしてみせる翔。

両親達はそれさえも楽しいことと捉え、
一つの成長として見守った。

勉強が嫌いで、学習机が水槽やら虫かごで
水族館か昆虫館のようになった雅紀のことも
「雅らしくていっか」と、
笑って受け止めた。