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［和side］
昨日の検査が
すごく痛くて…
背中で何が起こっているのか分からなくて
恐かったし…
検査が恐くて逃げ出したいけど
そんなことしたら家に帰れなくなっちゃう。
俺より小さい子だって、泣きながら注射を
頑張ったりしてるんだ…
俺が「いやだ」って駄々をこねるなんて
ダメだよね…
意を決して車椅子に乗ったら
連れて来られたのは昨日と同じ部屋。
もうそれだけで、心臓がバクバクし始めた。
また背中に痛いことされるの？
聞きたいけど、バタバタと忙しそうに
準備をする看護師さんに声を掛けれなくて…
それに帽子にマスクで、恐いんだもん。
優しく笑ってくれた看護師さんと
お医者さんがどこにいるのかも分からない…
看「ここに仰向けで寝ようね」
男の看護師さんが手伝ってくれて
検査台の上に仰向けで寝せられた。
上向きだったら、背中じゃないんだ…
ちょっと安心してキョロキョロしたら
怖そうな器具や注射器が見えて。
思わず身をすくめた…
胸のとこにだけ穴の空いた大きな布を
かけられて、そこを消毒される。
この感じ…思い出したくもないけど
昨日と同じ感覚なんだ。
もしかして今日は背中じゃなくて
ここに痛いことされるのかな…
ここに針を刺そうとしているの？
俺は怖くて堪らなくて…
ギュッと目を閉じた。
医「痛くても動いたらだめだよ。
危ないからね」
お医者さんの声がして、パッと目を開けたら
小さな注射器が迫ってきてた…
「…！やだ！」
振り払おうとした手を抑えられて
注射器が胸に突き刺さった。
「…う」
何とも言えない感覚に体が震える。
何より胸に注射器が刺さっている
恐い状況に俺の頭はパニック寸前だった。
医「しっかり抑えてて」
少し怒ったような、お医者さんの声で
さっきよりも強くしっかりと
俺の体は検査台に抑えつけられる…
胸に迫ってきたのは
ボールペンみたいに太い注射針だった…
「…！やだ！やだ！こわい！」
全力で抵抗した。
医「見せるから恐がるんだ」
お医者さんの声がして
顔にタオルが掛けられて視界が遮られる。
だけど、一度見てしまったものは脳裏に
焼きついてしまっていて消えない…
あんなの刺されたら、どんなに痛いか。
俺は必死で暴れ続けた。
『そんなに動いたら、心臓に針が刺さるぞ』
この声が聞こえるまでは…
あまりの恐怖に動かなくなった俺を
みんなが、ぎゅーっと抑え込んだ。
怖いよ、助けて、兄ちゃん…
「ぎゃー」
ここから先のことは覚えていない…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
