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［智にぃside］
翔「じゅん？
雅紀と一緒に
コンビニでアイス買ってきて？
和の分も買ってきてあげて？」
雅紀はすぐに翔の意図をよんでくれて、
潤と一緒に家を出ていった。
翔「かず？飲み終わったらアイス食べて
いいから。錠剤、練習してみる？」
和は「のまない！」て叫んで
一生懸命泣いてる…
翔は一旦、和の手を離してキッチンで
薬を砕いて溶かして持ってきた。
翔「かず？泣いてても薬はなくならないよ？
どっち飲むの？」
和「…らない！あっち、いけ…やだ…」
和は目の前に突き出された薬から顔を背けて
遠ざけようと必死だ…
翔はちょっと辛そうに息を吐き出してから
「小児科の研修で飲ませたことあるんだ。
手伝ってくれる？」って呟く。
俺が頷いたのを確認した翔は
フローリングでひっくり返っている和の手を
引っ張って自分の方に寄せて
足で抑え込む。
翔「ちょっと錠剤飲んでみよっか」
薬を無理矢理飲まされたことなんてないから
口を開けないという選択肢はないらしく、
和は大きな口を開けて泣き叫んでる…
翔は泣き続ける和に構わず
水を少し口の中に入れて錠剤を落とした。
翔「ごっくん。かず？してごらん？」
だけど、和は水と一緒に錠剤を
吐き出してしまった。
どうしても舌にあたる違和感で
上手く飲み込めないみたいだ…
翔「じゃあ、こっちだね。」
翔は口の周りをタオルで拭いてやって
和に優しく笑い掛けた。
翔「智にぃ？ゆっくり入れてってくれる？」
翔は足の間で和の頭をしっかり挟むと
バタバタする手を抑えて
俺に合図してきた。
「かずー？ごっくんしたら、すぐ終わるよ〜？
ほら、飲んでね〜」
翔にすっぽり抑え込まれてしまう和は
やっぱりまだ小さい。
少し前までは、自分達が嫌がる弟に
抑え込んでまで薬を飲ませなきゃ
いけないなんて考えもしなかった。
「ほら、最後だよ〜」
翔「かず、出さないよ？ごっくんして？」
和は終わっても大号泣…
部屋の隅で小さくなって泣いて怒ってる。
抱きしめようとしても怒るから、
少し落ち着くのを待つことにした。
雅「ただいまー！」
潤「ただいま！！」
翔「おかえり。雅紀、和のこと
お願いしていい？」
雅紀は笑って頷くと和の傍に座った。
雅「飲めてえらかったね。おいで？」
和「…んでないもん、にぃ達が、やった…」
雅「そっか。嫌だったね。おいで？」
和は「嫌だった」って泣いて訴えながら
雅紀にくっついていった。
甘えられる人がいれば、良しとしよう。笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
