45.【2】 ページ45
［雅にぃside］
ついつい熱が
入り過ぎちゃうのは
俺の悪い癖。
「今のはキャッチできたよ？」
「かず！もう1回な！」
「走ってー、走れ！」
「途中で諦めんなって。かず！」
気付いたら、どこかの熱血コーチみたいに
怒鳴っちゃってて、和は俯いて動かないし…
「やべぇ…」って思ったけど時既に遅し。って
やつで。
和「雅にぃやだ！野球きらい！！」
和はグローブを放り投げて、
車に閉じこもっちゃった。
「じゅーん、帰ろー？」
とりあえず帰れば、機嫌くらい直すだろうと
思ったけどそんな甘くなくて…
和は車の中でも一言も口を聞かず、
家に着いた途端に一目散に玄関に
飛び込んでいった。
「ただいまー」
潤「ただいま！！」
智「おかえり。なんで泣かしてんだよ…」
玄関に入ってすぐ、困ったように呟いた
智にぃの言葉通り、和はリビングで翔にぃに
抱きついて、しゃっくり上げて泣いている。
「…さっきまで、泣いてなかったもん。
知らないよ。」
言い訳したら、翔にぃに睨まれた…
潤「雅にぃがね、スパルタだから。
和ね、野球嫌いになっちゃったの！！」
何の悪気もなさそうに、ズバズバと
しゃべった潤は、お菓子を食べ始める。
翔「泣かすことないだろ？遊びなんだから」
「上手くなりたいって言ったのは和じゃん。
泣くほどやらせてないって。」
和は「も、いい。おれ、やん、ない…」って
翔にぃに訴えてる。
翔「和の為に教えたんだってさ。
そんな泣くな。悔しかったんだよな。」
翔にぃに優しく慰められた和は
コクコク頷いて落ち着いてきた。
潤「次はさ、みんなで練習しようよ？
智にぃと翔にぃがいれば、和だって
嫌じゃないでしょ？」
和「…ん」
和は頷きながら、翔にぃの腰にさらに
ギュッと抱きついた。
翔「よしよし。じゃあ、次は5人でいくか」
和「…うん」
涙を拭いた和は、
潤の横でお菓子を食べ始めた。
「かーず、ごめんね？」
和「…」
俺が謝ってんのに無視しやがった。笑
まぁ、いいや。どうせ頑固だし…って思って
俺が和の傍を去ろうとしたら感じる視線。
智にぃと翔にぃが「許してもらえるまで
ちゃんと謝れ！！」って睨んでる…笑
こうなったら仕方ない…
「ねぇ、かず？ごめんね。俺が悪かった」
和「…」
「ごめん、かず。ほんとに…
ごめんなさい！！」
ラグに頭をつけて謝ったら
さすがの和も無視はできなかったみたい。笑
「次は、いじわるしないでね…」って
笑ってくれた。
野球は楽しまなきゃね！笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
