22.【3】さと発見！ ページ22
［智にぃside］
和「やだー、
荷物ないー、病院いかないー」
結局、何の説得も出来ないまま
迎えてしまった入院当日。
翔が用意した入院用の荷物を
玄関から引っ張ってきて泣いている和。
今日は潤も朝からずっと泣いている…
雅「じゅん？大丈夫だから、泣かないの。
今度の病院は潤も毎日会えるよ？
病室でゲームもできる。ほら、何のゲーム
持ってく？一緒に取って来よう？」
雅紀は潤の手を引いて
部屋に連れてってやる。
翔「かず？入院してさ治療しよう？
退院したら学校行けるよ？」
和「やだー、学校行けなくても、家がいいー！
先生怖いー、やだー」
説得しようとする翔の手を振り払って
泣き叫ぶ和にお手上げ状態。
これを毎日続けたけど、結局
何の解決にもならなかったんだから…
もう納得させての入院は無理なのだろう。
俺らが諦めていたら、雅紀がバタバタと
リビングに戻ってきた。
雅「ねぇ、俺ね、思いついた！！
入院病棟をなん往復もして何とか
ならないかって考えてたの。今、思いついた！
ちょっと和と話しさせて？」
目をキラキラさせて話す雅紀に
俺らの期待も高まる。
こういう時、ミラクルを起こしてくれるのが
雅紀だからね。笑
雅「潤のことお願いね。部屋でゲーム
選んでるから。
かず？ちょっと、にぃの部屋行こっか？」
和「…やー、びょう、い…かない…」
雅「あひゃ。病院じゃないよ？
にぃちゃんの部屋！！ほら、立って？」
雅紀は和を強引に立たせると
ぐいぐい引っ張って行った。
俺は翔と、潤の部屋に向かう。
翔「潤？選び終わったら着替えようね」
朝から泣いているから、まだパジャマのまま。
潤「…かず、どれが好きなの…？」
もう泣き過ぎて顔がぐちゃぐちゃ。笑
翔「はは。俺らより、お前の方が和が好きな
ゲーム分かってんだろ？
ほら、そんな泣いてたら見えないだろ？笑」
潤「ん、ん…だって…」
翔「おいで。そんな泣くな」
翔は潤の傍に胡座をかいて、抱きしめてやる。
潤「…かえって、くる？」
翔「ばか。当たり前だろ？」
潤「…ん、ん。」
翔「泣くな。約束するから」
潤「…ん、わかった…」
潤はパジャマの袖で涙をゴシゴシ拭いて
小さく笑った。
潤「…和のゲームも準備する…
にぃ達も来て？」
翔と俺の手をギュッと握ってくる潤の手は
小さくて…
俺らと同じものを背負うには
まだまだ背中だって小さくて…
俺は涙を堪えるのに必死だった
でも必ず弟達は俺が守るから…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 600人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
