47.【40】胃管チューブ ページ47
［智にぃside］
部屋から出た翔は
「胃管チューブ
いれてやろうかな…」とほんとに苦しそうに
呟いた…
翔「頭痛で食べる気がしないのは分かるよ。
でも、胃の中になにもない状態で、
薬は飲ませられない。
それに、栄養とった方が
体も少しはラクになると思う…」
「でも服薬の時間まで、
1時間くらいしかないよ？
間に合うの？」
翔「あぁ…チューブさ、ほら前に
1本だけ持って帰ってきたぢゃん？」
翔に言われて記憶をたどる…
そういえば和が
どうしても「ご飯食べない！」って
駄々こねた時に、翔が持って帰ってきたんだ。
「食べないなら、これ入れるから
こっちおいで。」ってね…笑
もちろん和はその後、
拗ねながらご飯食べたから
結局使ってないんだ…
和はもともと食が細いし、
あんまり食べることに執着してない。
だから、体調が良くない時は
食べたがらないことが多いんだ。
翔「なんかさ、また脅すみたいで…
可哀相だな。
あんな使い方しなきゃよかった」
「いや、あの時はあれでよかったんだよ…」
俺は、珍しく肩を落とす翔の背中を
そっとさすった…
「とりあえずさ、和に聞いてみようか。
入れちゃえば残りの6日間、
和自身もラクになるんだから。
脅すんぢゃなくて、選択肢の1つとしてね？」
翔「分かった…
じゃあ、俺が和に聞いてる間に
智にぃから雅紀と潤に話してくれる？」
「ん、了解！」
俺らが和の部屋に戻ると、
雅紀と潤が水を飲ませてくれていた。
よかった…
水分とれてれば、点滴はしなくて済むね。
俺は部屋の隅に2人を呼んだ。
翔は和にそっと近付き、優しく話しだした…
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作者名：空
| 作成日時：2012年10月20日 15時
