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28.【21】 ページ28
［翔にぃside］
和が処置中に
パニックになった時、
「じゅんー」って叫ぶ様になったのは
最近のこと。
だから余計に潤も辛い…
カウンセラーの話では、子どもが泣きながら
「ままー、たすけてー」と叫ぶのと
同じ心理みたい。
潤には比較的、
和のこと押さえたりはしてもらってないから
助けてって思ったのが始まりなのかな。
和は今日、久しぶりに
処置中に意識をとばした…
見てられないくらい可哀相だけど…
『意識が戻ればいつもの和だから大丈夫』って
自分に何度も言い聞かせる…
尖端恐怖症になってからは
目が覚めてからも、処置する人に怯えていた。
今はそれがなくなったから
少しはカウンセリングの効果があるんだろう。
幼い頃から予防接種でも泣かずに
我慢していた和を思い出すと…
どうしてあの日、
ちゃんと説明してから
検査へ送ってやれなかったのかと悔やまれる…
和は頭がいいから、きちんと説明を受け
必要な検査だと分かれば
理解して受ける事ができたのに…
俺ら兄ちゃんなのに、かず…ごめんな。
そんなことを考えながら、
智にぃが頭を撫でているのを和の手を握って、
じっと見ていた。
智「顔、拭いてやろうか…」
智にぃが部屋を出て、
温かいタオルを持って戻ってきた。
そして、涙の跡が残る顔を
優しく優しく拭いてやる…
智「夕飯、ハンバーグ作ってやるから、
それまでに起きるんだぞ？」
智にぃは頭を撫でながら和に声をかけ、
俺の肩をポンポンして部屋を出て行った。
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作者名：空
| 作成日時：2012年10月20日 15時
