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［雅にぃside］
翔にぃと
「診察を受ける」と
約束した和。
大人しく体温計を挟んで、目を閉じた。
翔「和、クラクラする？」
和「…し、ない」
翔「間ありすぎだろ。
誤魔化してもいいことないだろ。かず？」
和「…へ…いき。しない。」
もー、頑固だなぁ。
翔にぃと和のやりとりを聞いて
この先不安になる。
たった今、約束したばっかなのに…笑
でも翔にぃは和の気持ちを汲んでか、
それ以上は追求しない。
翔「聴診器当てるよ？
ほら、かず…手が邪魔だよ。
冷たくないから…」
それでも動かない和に
翔にぃは苦笑いしながら、
和の手を左手で優しく包んで少し浮かせた。
その状態のまま右手で聴診器を
滑り込ませていく。
器用だなぁ…
俺はそんな翔にぃに見とれてしまう。笑
翔「かず、目診せてね？
…かーず、ぎゅってしないで？」
和「…や、だ…おわりに…して」
和は目を閉じたまま抵抗して、
翔にぃの手をパタパタ払おうとする。
翔「和、ちょっとだけ…
診ないと薬決められないからさ、
ごめんな、我慢な。」
翔にぃは優しく和に声を掛けた後、
俺のことを手招きして
黙って和の手を指差した。
抵抗したら、押さえてくれってことだ。
翔「かず、診るよ〜」
あえて明るく声を掛けてくれたんだけど
今の和に効果はなくって…
和「しょ、にぃ…やだ…」
首を振って逃げようとするし
翔にぃの手も払おうとして必死。
翔「…ごめんな〜」
和の顔を優しく押さえた翔にぃ。
俺は和の手を両手で押さえる。
翔「すぐだよ。…かず？すぐ終わるから」
ほんとなら一瞬で終わるこの診察。
でも和が暴れるから時間がかかってしまう…
翔にぃが「はい、おしまい」って
声を掛けたけど…
和は「にぃ達のバカ！」って拗ねて顔を背けた。
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作者名：空
| 作成日時：2012年10月20日 15時
