1746.【4】 ページ46
［雅にぃside］
リフトに乗りたくて
並んだけど、長い列。
初心者コースだからリフト降りる時に
転ぶ人も多くて…俺らみたいに。笑
危ない時はリフトを一旦停止するから、それもあり
進みが悪い。
だんだん吹雪出して寒くなってきたし…
「…っ、やべっ…トイレ行きたいかも…」
トイレは3人が行ったカフェの所まで
降りないとない。
「潤？まだ時間かかりそうだから、やっぱり
一旦降りない？」
俺のことを気にしてくれたのか、渋々だけど
「いいよ」って一度は頷いた潤。
だけどリフトの列を抜けようとした時に
「シングルライダーの人は、こちらどうぞ〜」って
案内の声が聞こえてきたら…
「俺、一人で乗ってみる！そしたら並ばなくて
いいんでしょ？」って目をキラキラさせてきて。
リフトは4人乗りだから、3人とか2人で
乗る人の所に、1人の人が相乗りできる仕組み。
その列がすごい空いてるんだ。
俺も潤の後ろのリフトに乗って、一緒に滑ってくる
ことも出来るんだけど、トイレ我慢しながら
滑るの辛いしね。笑
「じゃあ、ここにいるから」
手を振って送り出す。
リフトに乗って上がっていく潤の姿を
確認してから、なるべく目立つ所に移動して
潤が滑ってくるのを待つことに。
『近くまで来たらムービー撮ってやろっと』
ちょっとワクワクしながら待ってた…
［潤side］
一人でリフトなんてドキドキ…
翔にぃに教えてもらった通りにリフトから
降りようとしたんだけど隣の人とぶつかって
さらに先に降りた人が転んでて避けれなくて…
結果、俺もハデに転んでしまった。笑
一人だし、ちょっと恥ずかしさもあって
焦って滑り始めてから気が付いた…
『やべぇ…これって逆側じゃない…？』って。
頂上から左右にコースがあるんだけど
初心者コースは右側。
俺がきちゃってるのは左側…
『どうしよっかな…』
不安で携帯を取り出したら圏外で…
益々不安になって、何も考えずに滑り出して
しまったから…
数メートル先にスキー板を履いた子どもが
座り込んでたのに気が付けなかった。
「…っ、あぶねっ…」
当然、俺にはタイミングよく止まる技術も
なければ、避けてあげることも出来ない。
ただ、このままボードでぶつかっていけば
どうなるのかは咄嗟にでも判断できたから…
ドンッ…ズリッ…
子どもの手前で派手に転んで、そのままコース
外れて落っこちた。
落ちた先は…
『どうしよう…戻れない…』
不安で押しつぶされるくらい一人きりの場所…
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作者名：空
| 作成日時：2014年12月2日 18時
