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［雅にぃside］
学校が休みの日は
日中の時間も長く感じるから
和にとっては過酷なわけで。
それでも「あらしの散歩行く！」って昼食の
時までは割と機嫌が良かったんだけど…
和「…だ、…めない、いらないっ…」
翔「自分が先に飲んじゃったんだろ…？
嫌なの分かるけど…頑張って飲んで？」
昼食後に飲む苦手なシロップの薬…
翔にぃが「薬の後の口直しな」って
用意してくれていたジュースを
先に飲み干してしまった和。
しかも二度も。笑
厳しい状況だから、翔にぃもあんまり叱りたくは
ないんだろうけど、どうにも出来ない。
薬を飲ませないわけにはいかないし、これ以上
口直しにジュースを飲ませるわけにもいかなくて…
和「…らないっ！…あっちやって…」
翔「…っ！零れるから、やめろって…」
シロップを差し出されればコップを勢いよく
突き返して零れそうになる。
和「…ん、んぅ〜…」
要求が通らないから、益々イライラして
ソファーに反り返って怒ってる。
智「…翔？薬、持ってるから少し話してやって？」
翔「ん…ありがと…」
翔にぃから薬を受け取った智にぃは2人の傍に
そっと座って行方を見守る。
俺と潤もキッチンから様子を伺う。
翔「…かず？」
和「…っん、ん、…あっち、いって…」
潤んだ目を腕で隠しながら、体を起こそうとして
迫る翔にぃをパタパタって追い払う和。
翔「…っ、いてっ…笑」
和は加減せずにパタパタするから近付く翔にぃの
顔にヒットして…苦笑い。
翔「もう…じゃあさ、そのままでもいいや。
聞いてくれる？」
和「…やだ。…あっち、いけっ！」
翔「…かず？」
和は「やだ」「ばか」「くんな」って連呼。
翔にぃが『どうすりゃいいの…笑』って顔して
智にぃにヘルプを頼む。
ほんとならね、ガツンと叱ってやりたいところ。
明らかに我が儘が過ぎるから…笑
でも担当医として、和の辛さを一番分かってるし
その治療の選択をしたのが自分だから…きっと
責任を感じてるんだと思う。
翔にぃが責任感じなくてもいいのに、翔にぃは
いつもそうだもんね…優し過ぎるから…
ここは智にぃの出番。笑
智にぃは翔にぃの気持ちをちゃんと分かってる。
肩をポンと優しく叩いてポジションを交代して
和の頭にそっと手をのせる…
智「…かず？先にジュースを飲みたくなっちゃった
和の気持ちは分かってるよ？俺らみんな。」
和は腕の隙間から智にぃを見つめて
『そうでしょ？』『助けて…』って顔。
ずるい、ずるい。笑
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作者名：空
| 作成日時：2014年12月2日 18時
