1736.【6】 ページ36
［翔にぃside］
泣かしてやろうとは
もちろん思ってはいない。笑
でも、何もなしに終わりにしようとも思っては
いないんだ。
次からはきちんと相談して欲しいからね…
「智くん…？約束、できる？」
『智にぃ』ではなく『智くん』と呼ぶ自分に
若干の違和感を感じながら。笑
まぁ、仕方ないよね…こうしないと返事もして
くれないし。笑
水分を多く含んだ目で俺のことを
見つめてる智にぃはちょっと頑固。
なかなか首を縦に振らないから
「約束、できなそう？」って問いかけてみたら…
頷きながら「できそう」って呟いてくれた。
全くさ、可愛いんだから。笑
「ん、じゃあ約束ね。
辛くなってからだと長引くから」
智「…ん」
またまた素直に頷いてくれた智にぃ。
コロンってソファーに寝転んで「ちゃんとするから
ここいてくれる…？」って見上げてきた。
「ん、いるから」
ポロっと溢れた涙を指でスッと拭いてあげて
そのまま首筋に手を当てたら、気持ち良さそうに
目を閉じて…
「元気になるまで、みんなで看病するからね…」
素直な智にぃを前にして、俺まで素直な
言葉が出た。
［智にぃside］
ゆっくりと頭を撫でてくれる優しい手。
目を開けたら、ちゃんとベッドに寝せられていて…
「…運んで、くれた、の…？」
翔「ん。よく眠れてたからさ」
何だかちょっと照れた翔が「起きたついでに
吸入しておこうか」ってパパッと準備を
してくれる。
その横顔はお医者さん。
でも…
「少し体起こした方がラクだから、俺に凭れて？
吸入器は持てる？」って優しく声を掛けて
くれるのは、弟の頼もしい翔。
モクモク出てくる煙を吸いながら、翔に胸元を
さすってもらって…
贅沢だよね。笑
「ごめん、ね…？心配かけて…」
素直になった後なら、こうやって謝れるのに。
翔「ん、いいよ。元気になってくれたら
それだけで十分だから」
「…ふふ。ありがと…」
頑固になって頑なになっちゃうのは
俺の悪い癖だね。
それに弟達みたいに、都合の悪いことには
黙りしたりするところも。笑
翔は俺が完全復活するまで、ずっと看病を
続けてくれた。
だから、こんど翔が体調崩した時は
恩返ししたいなって思う。
まぁ元気なのに越したことはないけどね。
それからね？
俺は翔の『智くん』呼びが結構気に入った。笑
他の3人の弟が、からかって『智くん』って
呼んだりもするんだけど何か違う。
俺は翔が『智くん』って呼んでくれるのが
嬉しい。
内緒だけどね。笑
END
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作者名：空
| 作成日時：2014年12月2日 18時
