1704.【4】 ページ4
［智にぃside］
翌朝。
和「…っん、ん〜…、…ない、しない…」
翔「こーら。そんなことしたら潤が
起きちゃうだろ？」
聴診器をパタパタと払って潤の布団に
潜り込もうとする和。
その腕を掴んで引っ張り戻す翔。
少し元気になったみたいでホッとするけど
その分、手が掛かることは予想できる。笑
朝食の時も頑として口を開かなくて、さすがの
翔もお手上げ状態。
「もう…食べなくていいから、薬だけは
飲みなさいね。笑」って呆れて出勤していった。
「ほら、潤は飲んだよ？和は？」
和「ん、むぅ…」
「潤の名前出すな！」って言いたそうな顔で
睨んできてカプセルを飲み込んだ和は
モゾモゾと潤の布団に移動する。
潤「ん…、薬、…んだの？」
和「ん、のんだ…」
潤には可愛い笑顔を向けるんだからさ…
まったく。笑
そんな和も体温はまだ38℃台の後半。
お昼ご飯も「お腹空いてない…」って、ゼリーを
数口食べただけ。
潤がスープを飲みながら「またペチャンコの
お腹になっちゃうな…」って寂しそうに呟いて。
もしかしたら、この潤の一言が良かったのかも
しれない。
夕食は、雅紀が今朝用意してくれた春雨スープに
ご飯を追加した『中華風お粥』で。
和は「俺のお椀にも」って伝えてきたんだ。
隣で潤が嬉しそうに笑って。
翔「よかったな、潤」
潤「くふっ…」
翔に凭れて甘えてる潤も安心できたみたい。
雅「はい、あーん」
和「あー…」
雅「美味い？」
和「ん…、ふつう。笑」
雅「このやろっ！」
和「…きゃはっ！」
声を上げて笑った和の頭を、雅紀がポカンと
叩いて、翔が「こら！病人なんだから！笑」って
叱って。
何だか戻りつつあるワチャワチャの空気。
すぐには元気になれないけど、やっぱり予防接種の
効果はあるのかなって思う。
潤は「和、注射頑張ったのに感染してんじゃん」
って毎年の決めゼリフね。笑
それに翔が「予防接種してなかったら、今頃もっと
苦しい思いしてるから」って宥めるっていう
いつもの流れ。笑
和はしばらく安静にしてなきゃいけないし
体力も落ちちゃったから、元気になったら
沢山食べて蓄えなきゃね。
双子が眠った後は、そんなことを気楽に考えて
呑気に話していた俺ら。
雅紀が風邪っぽい症状を訴えて、翔の診察を
受けたのは、それから数日後のこと。
まさか、型の違うインフルエンザに再び和が
感染して苦しめられるなんて思ってもなかった。
みんなで支えるから、頑張って治して元気に
なろうね…
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作者名：空
| 作成日時：2014年12月2日 18時
