only princess【King&Prince】

ちから ページ39

　
　
　
　
平野 side









紫耀「っ……」








俺の隣に座っている Aは珍しくソーシャルディスタンスを守っていて



きっとスタッフさんに軽く注意されたんだろうな 。







ありがたいことに個人の仕事もグループとしての仕事も沢山いただいて、正直 とてもハードなスケジュール。


寝る時間もとれない日が続いていて、 俺にとっては少しだけキツかったり




それでも そんなこと言ってられない。って思ってしまうのも俺の悪い所で。





隣で眠たそうにしてるAに




しんどい 。






そう伝えられたらどれだけ楽になれるか。


それさえ伝えられない俺って ……ダサいよな。







『紫耀、、じゅーす ……』




紫耀「ん、？買いに行く？いいよ」







喉が渇いたのかいつもよりふにゃっとした声で俺を呼んで、やさしく引っ張っられて自販機の前まで連れて行かれる




……のかと思いきや








紫耀「え？こっちじゃないよA 笑」




『……』




紫耀「A？」






自販機の前を通り過ぎて、使われていない部屋へ入っていく。


呼んでも返事がないから寝ぼけてるのかと思ったけど




部屋の扉が重い音をたてて閉まったと同時に









『…………紫耀…しんどかったね』




紫耀「..っ……」








苦しそうなAの目が俺を見つめる


' もう我慢しなくていいよ 、頑張ったね ' って



その言葉を聞きながら抱きしめて。




それに応えるようにAの細い腕が腰にまわる。







『寝れてない？』




紫耀「っうん.…」




『ご飯は？』




紫耀「ちょっとだけ……」




『そっか、


……でも私 紫耀が頑張ってるの知ってるから、！！


寝れないならぎゅーってしてあげるし 、

ご飯だって 紫耀の好きなオムライス作ってあげるからっ




だから、頼ってね …』




紫耀「……ありがとう」




『んっ、』







必死に想いを伝えてくれたAに思わず、抱きしめる力が強くなる。



そうするといつもは必ず ' 苦しい ' って言うのに今日は何も言わずに受け止めてくれて






やっぱりAには敵いません。






紫耀「今日……オムライス食べたい」




『ふふ、いいよっ』









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