一粒六色。3【苺】【stxxx】【体調不良】 (ページ7)

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莉犬くんside

ジェルくんのこと考えてたら思い出した。

そうだよ、俺、耳いいキャラじゃん。

中でジェルくんがどうなってるか、
本当にジェルくんは中にいるのか、
音を拾えばわかるんじゃないかな？

ジ「はぁっ…はぁっ…」

苦しそうな呼吸音。

ジェルくんだ。

俺の顔で気づいたのか、
みんながどう？という目線を向けてくる。

「小さいけど、はぁはぁ言ってるのが聞こえるよ
苦しそう…」

するとなーくんが手を回し始めた。

な「もしもし、救急でお願いします、はい、はい…」

な「やっぱりちょっと不安だから、救急車呼んどいたよ！
中がどうなってるかわかんないから、重い病気だと大変だし」

る「さすがなーくんです」

こ「でも、鍵どうするの？」

な「できるだけ家を壊さないように入る方法を考えてくれるみたいだけど、窓を割ったりはすることになるかもって。」

さ「修理代は俺らの心配代と迷惑代ってことでジェルに払わせよ←」

その後、救急車がやってきて、小さく窓を開けて侵入。

寝室を出たところに、ジェルくんは倒れていた。

ぐったりしていて、苦しそうに息をしている。

その姿はいつものジェルくんとあまりにも違っていて、目がきゅっと熱くなった気がした。

救急隊員がジェルくんを運んでいく様子を、ただただ見ていることしかできなかった。

るぅとくんside

正直、怖かったです。

この前まで元気だったジェルくんが、
いつもみんなを笑わせてくれるジェルくんが、こんなに弱っているのをみたのは初めてだったからです。

莉犬も同じことを考えているように見えた。

だから僕はそっと莉犬の肩に手を当てた。

「ジェルくんは大丈夫ですよ。」

我ながら無責任な発言だとは思いました。
これで莉犬の心が救われるわけないのに、なぜか言っていた。
確かなのは、僕のジェルくんは、そんな簡単にへばったりしないってこと。

莉犬の頬に光るものが伝った。

不安だよね。

ころんside

付き添いには最年長のさとみくんが行くことになって、
残された僕たちは別で行くことになった。

僕が泣いちゃだめだってわかってる。
でも不安でしょうがなくて。
瞬きで必死にごまかしながら、なーくんの呼んでくれたタクシーに乗った。

なーくんも不安なはずなのに。
やっぱりリーダーってすごいな。
僕じゃ到底務まらないよ。

目頭の温度は、もしかしたら今のジェルくんの体温と似通っているかもしれないな、なんて。