いや、俺ら再会したいだけやねん。 (ページ3)

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桃 side

『じゃあ俺も"個性"説明せんとな。』

と言うと、ゾムはいやいやと首を振る。

zm「俺のまだ説明終わってないで。」

『あぁ、アレイ呼び出すだけやなかったんや。』

俺のことなんや思ってん、

なんて言いながらゾムは手に草ブロックを出した。

zm「俺の"個性"は「ブロック」と「隠密」。
　ブロックは…正直マイクラやな。
マイクラがこの世界に無いから名前ブロックらしい。」

『マイクラて。チートやないか。』

時々茶々を入れながら話を聞く。

zm「「隠密」は、透明になれたり…ナイフ出せたり。
　正直まだ限界を探りきれてない。」

『ほぉーん。ゾムお前やっぱチートやんけ。』

ま、まぁな！と半ば照れているゾムを横目に、

俺は自分の"個性"の説明を始める。

『俺の"個性"は「身体能力強化」と「声」やな。
　前は0か100しか出力調整出来んかったけど…、
　最近は10%までは自由に出せるようになってん。』

zm「へぇ…。今度出力見せてや。」

『おん、ええよ。
　「声」は家系能力の大幅強化＋応用利く版やな。』

zm「鼓膜割れるんか？」

『割れる。余裕やで。』

zm「ほーん…。」

『なんや、聞いといて興味なさそうにしよって。』

zm「だって興味ないし〜。」

この野郎〜！と軽く小突くと、ゾムは軽々と避けた。

『相変わらずゾムは速いなぁ。筋力落ちたわ』

zm「いやぁ、俺もスピード落ちましたわ。」

お互いに褒めたあと、顔を見合わせ吹き出す。

『んふふww』

zm「っぷはははwwww」

ひとしきり笑った後、

俺はふと"個性"関連で思い出した事を口に出す。

『個性出た日、机の上に謎の本が置いてあったんよな。
　読んでみたら自分の"個性"の説明だった。』

zm「え。ロボロもなん？」

『その反応を見るに、ゾムお前も本があるんやな？』

zm「おん。
　でも自分以外には見えんみたいやで？」

ポンッと軽快な音を立ててゾムの手元に本が現れる。

『ゾムの本ってそれか？普通に見えるけど』

zm「見えるん？！」

驚いたからか思わず大きな声が出てしまったようで、

顔面偏差値114514の彼奴程ではないがまぁちょっとうるさかった。

大きい声に反応してクラスの大半がこちらを…

というかゾムを見る。

zm「あ…」(思考停止)

固まってしまったゾムを見て、

そういえばコイツ人見知りやったな、

なんて呑気な思考が巡る。

流石に放置なんてことはせんで？

ちょっと、後でからかうだけや。