我々国専門学問研究学校 蔵書より抜粋――[戦争国家我々国] ページ1
[戦争国家我々国]
紀元前二千年に、現在で言うドイツの辺りに勃興した国である。
国の幹部は総統本人による引き抜きやスカウトによって構成されていた。
周辺の国では出来たばかりのこの国を潰し、植民地にしようとする国も少なくなかった。
だがこの国は、出来たばかりにも関わらず、宣戦布告を難なく受け止め、
更には周辺の強国に次々と打ち勝っていった。
この国の幹部及び総統には、一人一人"色"が与えられる。
それは"色幹部"と呼ばれていた。
"赤"を背負うのは書記長かつ総統の右腕。
"茶"を背負うのは数々の戦争を勝利へと導いた軍師。
"橙"を背負うのは人に取り入るのが上手い詐欺師。
"黃"を背負うのは近接最強と呼ばれた前衛。
"黄緑"を背負うのは'味方最大の脅威'と呼ばれた暗殺部隊隊長。
"深緑"を背負うのは何もかもを見通しているような外交官。
"空"を背負うのは忠誠心の高い狂犬。
"青"を背負うのは女好きの情報管理部官。
"紫"を背負うのは国へ情報と武器を運ぶ放浪者。
"藤"を背負うのは橙と仲が良く腕の良いパイロット。
"桃"を背負うのはよく通る特殊な'声'を持つ戦場司令官。＊１
"白"を背負うのは東国出身の刀を持った鬼。
"黒"を背負うのは並外れたカリスマ性を持った最後の総統。
幹部は総統から"色"を与えられ、
総統は前総統から"色"を承継する。
「全ての色を混ぜた色である"黒"こそ、
”色幹部”を率いるに相応しい。」
というのは初期総統の言葉だ。
そんな我々国だが、国が出来てから僅か500年程で滅んでしまった。
滅んだ理由は現在も調査中である。
上記の"色幹部"は資料が残る限りで最後の"色幹部"である。
＊１"桃"の名前は、戦場司令官、情報管理部、
遠距離攻撃隊隊長の３つに名前が載っているため、１つのみ表記をしている。
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作成日時：2024年2月21日 23時
