爆豪の本音 ページ31
「関係ねェっつってんだろが.....｡それに、話したところで、てめぇにできるこたァ何一つねぇよ｡
.....もう戻んねぇんだよ」
「いえ、私に出来ることはあります。少なくとも、爆豪くんの話を聞いて、心の負担をちょっとでも軽くすることぐらいは」
曇り空に雲が暗澹と動く｡
話は平行線に進み、爆豪くんは頑なに理由を話そうとはしなかった。いや、私じゃ話すには値しないのだろうか。
「私では力不足なら、切島くんや緑谷くん、オールマイトでもいいです｡誰かに頼って下さい｡...1人で苦しむのは、辛いんですよ」
そして、私と同じ過ちを犯す。堕ちて、夢を失って、自分を無くしてしまう。それじゃ、約束は果たせない。
「デク.....？ オールマイト.....？ 言えるわけねぇだろうが！！ 俺が終わらせちまった人に！！ そいつに見初められたやつに！！ 俺が.....弱いから.....っ、憧れた人を殺して......！！ 俺は.....っ！」
突然、爆豪くんが怨根じみた声で叫んだ｡
緑谷くんとオールマイトに異常に反応したから、きっとこの2人が苦悩のキーポイントなのだろうか｡
彼に全部吐き出させるため、私は静かに傾聴した｡
「なにがナンバーワンだよ！！ ヴィランに攫われて、足でまといになって、引退にまで追い込んで！！ 見下してたやつが認められて、俺は認められなくて！！ 誰にも言えなくて！！もうどうすりゃいいかわかんねぇんだよ！！」
爆豪くんは激昂した様子で思いの丈をぶちまける｡その言葉は、怒りと、劣等感と、罪悪感で満ちていた｡
「爆豪くん｡どうすることが正解なのかは、爆豪くん自身が決めることだと思います。でも、緑谷くんとオールマイトに何か思うところがあるのなら、まずはその2人に」
「無理だっつってんだろうが！！ 知った口利きやがって、てめぇに俺の何が分かるっつーんだよ！！ 」
爆豪くんは閉じた後ろのドアに拳を叩きつけ怒声を張り上げ、私の言葉を遮り鋭く睨んだ｡鬱憤と悲痛が、ダイレクトに伝わる｡
「俺は.....弱ぇんだよ。弱ぇから、自分1人守れずにオールマイトをあんなんにして、デクが……」
「.....」
「俺には、なんもねぇんだよ。俺は……俺が嫌いだ」
全て吐き出したのか、爆豪くんは俯き荒い息を吐いた。全部投げ出したかのような表情｡もう捨てたのか。
そんなの｡
「.....爆豪くん」
「.....」
「爆豪くんは、最高のヒーローですよ」
私は、爆豪くんを許すことはできなかった。
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匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
