林間合宿1日目 ページ27
筆記、実技のテストを終え、私は見事に赤点を取ってしまった｡
.....しょうがないだろう。ここは偏差値79の超名門、雄英高校ヒーロー科だ｡そこで平均を取ること自体、とんでもない事なのだ｡
しかし、学校側もそう鬼ではなかった。補習はあるようだが、私達は無事に林間合宿に参加することができ心底安心した｡
そして迎えた林間合宿1日目｡
初っ端から凶悪な土のモンスターと戦わされ満身創痍となった私達に言い渡されたのは、カレーを作ること｡冗談じゃない、と思ったが、飯田くんの一声で渋々作ることとなった。
「Aちゃん、手馴れてるわね」
「へへっ、料理はよくしてるんです」
梅雨ちゃんに手さばきを褒められ、思わず口元が緩んでしまう。母を亡くしてからは家のことをほぼ全部代わりにこなしていた為、料理に限らず家事全般には自信がある｡
多分、この分野ならこの中で私が1番優れているんじゃないかと得意げになりながら、ふと爆豪くんの方を見ると｡
「爆豪くん包丁使うのうま！ 意外やわー...」
「意外ってなんだコラ包丁に上手い下手なんざねぇだろ」
なんだあいつは｡才能マンか｡才能マンなのか｡ここまで追い越されるとだともう一周まわって清々しささえ感じてしまう。乱暴なのに料理上手とかどんなギャップ萌えですか｡
「.....はぁ」
私がめちゃくちゃ苦労する問題でも、きっと爆豪くんは1人でちゃちゃっと終わらせて周りキャーキャー言わせるんでしょうね。爆豪くんのそういうとこホント嫌いです。.....好きですけど。
「大丈夫なの？ さっきから独り言多くて怖いわ、Aちゃん」
「.....ハッ！？ すみません、つい考え事を.....」
どうやら、私はさっきからブツブツ独り言を言っていたらしい。その恥ずかしい独り言の内容が梅雨ちゃんにバレていないことを切実に願った｡
「休憩はちゃんと取るのよ、Aちゃん｡あっ、お肉焦げちゃうわ」
「うぇ！？ え、えっと.....」
しまった、ぼーっとしてて手元が疎かになっていた｡
さっきからミスばっかりだ｡普段は絶対こんなことはないのだが｡
「.....鈍くせぇ！ 貸せやオラ！」
どこからか、人参を切り終えた爆豪くんが私の仕事をひったくった。そうだ、全部コイツのせいだ｡許さないからな爆豪くん｡
−−なんて理不尽に責任を押し付けて、私は彼の背中をずっと見続けていた。
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匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
