紅白少年 ページ12
「お、に、いちゃんー！…あれ、いないの？」
私はいつもの様にA組まで兄に会いに来ていた。けど、今日は兄の姿が教室に見えなかった。
きょろきょろ探していると、突然後ろから肩をたたかれた。
「―ッわあ！」
「…悪い、驚かせるつもりはなかったんだが」
驚いて振り返るとそこには髪が真ん中で紅白に分かれている人がいた。
そういえば周りの女子生徒にキャーキャー言われているのを見たことがある。
「っすみません、…えー…と、何か…？」
「あ、お前の兄貴は先生手伝ってるから今はいないぞ」
「あっ、え、そう、なんだ…」
それを聞いて私はしょんぼりとする。困ったなぁ、私のクラスは居心地悪いし…
もんもんと悩んでいると、彼はじゃあ、と提案してきた。
「今回は、A組でいたらどうだ？もう少しすれば切島も帰ってくるだろうし」
「…っいいの？！」
「俺は構わねぇけど…このクラスの奴らも気にしねぇだろ」
私はきらきらと顔を輝かせ、なんていい人なんだろう、とひそかに感動した。
彼は私が壊れやすいこと、褒められるのが嫌いなことなどを理解してくれていて、気を使いながら話相手をしてくれた。
「俺は轟 焦凍。個性は半冷半燃。氷と、…炎をつかえる」
「え…個性が二つあるの？！」
すごい、と言うと彼は複雑そうな顔をしてうつむいた。
あれ、何かまずいこと言っちゃったかな…
ごめんなさい、と謝ると彼は気にするな、といった。
「ちょっと因縁的なもので燃やす個性は使わねぇことにしてる。」
「…っ、そう、なんだ」
詳しく聞きたかったが、なんだか聞いてはいけないような気がして言葉を続けることはできなかった。
少し沈黙が流れた後、ガララッ、と扉の開く音がした。
「…帰ってきたぞ、お前の兄貴」
「あっ、ほんとだ…！」
ではまた、と彼に別れを告げて、兄のほうへ駆け寄ろうとした。
しかし、腕をつかまれ焦凍くんに引き留められる。
振り返ると彼は自分でも何をしているのかわからない、といった様子で驚いた顔をしていた。
「…えっと、なにかな…？」
「―ッあ、悪ぃ…なんでもない」
彼の手から私の腕はするっ、と滑り落ち解放された。
彼は顔をそらして、じゃあな、と言って何処かへ行ってしまった。
私、やっぱり何か怒らせちゃったのかな…
腕に残る彼の体温を感じながら呆然と立ち尽くしていた。
しかしその時兄に呼ばれ、まあいいか、とその場を後にした。
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なむ@国民同盟(プロフ) - 莢さん» ありがとうございます〜！！そういってもらえると書いて良かったなぁと思えます(´▽`) 受験生のため更新は遅くなりますが気長にお待ちください← (2019年11月17日 0時) (
レス) id: c664a17e86 (このIDを非表示/違反報告)
莢 - すっごく面白いし、素敵です！続き楽しみに待ってます！ (2019年11月7日 22時) (レス) id: c891151d5d (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - アアアリガトウゴザイマス…！学校の行事が続いていて更新が疎かになってました…また更新しますのでもうしばらくお待ち下さい！ (2018年11月8日 18時) (レス) id: f206e47b69 (このIDを非表示/違反報告)
ほの氏(プロフ) - つ、続きが気になって朝も起きれません← (2018年11月7日 23時) (レス) id: f9d42d0b16 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ?(プロフ) - 爆豪はまだ仮免持ってないただの高校生なのに敵殴ったから逃げないと、ってつもりだったんですが… すみません、漫画持ってなくてよく知らないんです…！(><;) 私の文章ぐちゃぐちゃなので、納得いかない所があればまたコメントお願いします…！ (2018年10月8日 18時) (レス) id: c664a17e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらげ | 作成日時：2018年8月31日 13時
