No.10 ページ10
場所は変わって ヒーロー科1年A組の教室にて
20人の生徒たちは
担任である相澤消太のいつもとは少し違う様子に、わずかながら戸惑いを覚えていた。
「全員 今から配るプリントに目を通し、」
バサバサバサバサっ！！
…今から配られるであっただろうプリントの束が
潔いほどの勢いで相澤の手から落ちた。
その瞬間、全員が確信する。
(((先生が変だ…！)))
「…あぁ、すまん」
何事も卒なくこなすタイプの男が、こうも様子のおかしいのは初めてだ。
落としたプリントを周囲の席の生徒たちも手伝い
拾い集めるた後、何事も無かったようにプリントを配り直す。
「あ、あの 相澤先生…っ！」
見兼ねた緑谷が
おどおどとした様子で手を上げて立ち上がった。
「えっと…その、大丈夫ですか？」
この変な空気の流れる教室内で一番厄介なのは
「？ 何がだ、緑谷」
当の本人に “いつもと違う” という自覚がない事だ。
自分たちの担任はこうも自身の事に無頓着な人だったのか、と改めて認識させられる。
「ケロ、今日の先生 何か変だわ」
誰もが聞き辛かった事を
可愛らしい鳴き声と共に発した少女は、蛙吹梅雨。
人差し指を頬に当て、考えるような仕草をしている。
「別にフツーだ」
「そうかしら 」
「それより今日のヒーロー基礎学は午前に変更だからな」
生徒を代表した彼女の疑問もそこそこに一刀両断。
それだけ伝えると、出席簿を片手に教室を後にした。
…そして それを機に
生徒たちは一斉に口を開き出す。
「今日の相澤先生なんかやべえって！」
「ああいうの、心ここにあらず ってゆーの？」
「でも体調不良では無さそうですしね…」
上から順に 上鳴、耳郎、八百万と続く。
その他にも周りは密かにざわざわとした声を上げていた。
体調不良ではない
では それ以外にあそこまで先生の心を惑わせるモノがあるのだろうか。
全員が首を傾げる中
「あー！！ 」
ガタン！と大きな音を立てて その少女は椅子から立ち上がった。
全員の視線がそちらに向き
「分かっちゃったかも…私」と にやける頬を両手で押さえながら言葉をつなげるのは、麗日お茶子。
全員が 次の言葉を待った。
「先生、告白されたんやないかな ！？」
コレだ！とでも言いたげな表情で少女は言った。
廊下を歩く1人の男は
タイミング良く くしゃみを1つこぼした。
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TSUBAKI(プロフ) - なに、最高か (2019年10月9日 10時) (
レス) id: 693e23af59 (このIDを非表示/違反報告)
自分の目の前に天使が舞い降りてほしい 切実に - 人使の切ない心とかがすごく伝わってきてこっちまで悲しくなりました…人使と相澤先生と夢主ちゃんがこれからどうなるのか続きが気になります！更新楽しみに待たせてもらいます！！ (2019年8月14日 2時) (レス) id: da546de98e (このIDを非表示/違反報告)
クマグマ - このお話、すごく好きなので更新楽しみに待たせていただきます！ (2018年3月31日 17時) (レス) id: c478c89726 (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 相澤先生が大好きなので是非とも続きが見たいです！頑張ってください！ (2017年3月14日 23時) (レス) id: bf6acc7bbc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃとー - 相澤先生大好きです。一人ニヤニヤしながら読んでます！更新頑張ってください！ (2017年1月12日 15時) (レス) id: 9ee542576d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紙芝居 | 作成日時：2016年7月5日 1時
