No.09 ページ9
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「…………で、返事は？」
ガタン、ゴトン、と不規則に揺れる電車の中
幼なじみはこちらに視線を向ける事なく、そう尋ねた。
相澤先生の話をし始めたあたりから
幼なじみである心操の機嫌があまりよろしくないのは、何故なんだろう。
「…聞いてない」
「は？」
「〜ッ、聞けるわけ無いじゃん！
私だって告白するつもりなんか無かったよ？けどかっこいい先生見てたら勝手に口が動いてたんだもん！
分かる！？あれは事故！もはや被害者は私のみの事故だったの！！」
つまり逃げた、と。
比較的頭の回転が早い心操に
付き合いの長い幼なじみの行動を想像する事は、茶を煎れるより容易い事だった。
きっと
「忘れてくださいすみません！！」
なんて叫んだ後、猛ダッシュで1人 家に帰ったんだろう。
「…どれだけ嫌でも電車は進むものなのだな、心操よ」
無情だな…と
どこかの漫画に出てきそうなセリフを吐く朝比奈をスルーしつつ、雄英高校の最寄り駅へと2人で降りた。
「ねえ心操 ホントに学校で会っちゃったらどうしよう、今から帰っちゃだめかな！？」
そう頼み込む彼女は
今まで見た事のないくらいの必死な顔で…
いや、違うな。
6歳の頃、自分のおやつだけじゃ飽き足らず
「お願いヒトくん、Aにそのプリンちょうだい！」
と、俺のおやつまでも欲しがった時と同じ顔だ。
(全く変わってないな こいつ)
「いや、別に平気だろ」
「なにが平気なの！？」
平然と言ってのけた心操に 食ってかかる朝比奈。
彼女の中では人生がかかっているような事柄なのだ。これほど恐ろしい形相になるのも仕方ないのかもしれない。
「いつも会いたくても会えないような人なのに
2日連続会えるとか、まず無いだろ」
くしゃりと撫でた頭。
マヌケ顔の幼なじみ。
それらを背に いつ見ても立派な校門をサッサとくぐった。
「…なるほど確かに」
やっと落ち着いた朝比奈は
「心操は天才なのか！すごいすごい！ありがとう！」
などと、調子の良い事ばかりをニコニコと後ろで口にしている。
昔からコイツはかなり扱いやすい。
「…こら馬鹿。早く行かねーと遅刻する」
「あ、ちょっと待って心操！」
正直、告白したとか言われた時は焦った。
でも どうでも良いか。
今隣にいる俺の方がお前に近いんなら、それで。
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TSUBAKI(プロフ) - なに、最高か (2019年10月9日 10時) (
レス) id: 693e23af59 (このIDを非表示/違反報告)
自分の目の前に天使が舞い降りてほしい 切実に - 人使の切ない心とかがすごく伝わってきてこっちまで悲しくなりました…人使と相澤先生と夢主ちゃんがこれからどうなるのか続きが気になります！更新楽しみに待たせてもらいます！！ (2019年8月14日 2時) (レス) id: da546de98e (このIDを非表示/違反報告)
クマグマ - このお話、すごく好きなので更新楽しみに待たせていただきます！ (2018年3月31日 17時) (レス) id: c478c89726 (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 相澤先生が大好きなので是非とも続きが見たいです！頑張ってください！ (2017年3月14日 23時) (レス) id: bf6acc7bbc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃとー - 相澤先生大好きです。一人ニヤニヤしながら読んでます！更新頑張ってください！ (2017年1月12日 15時) (レス) id: 9ee542576d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紙芝居 | 作成日時：2016年7月5日 1時
