No.17 ページ17
そんなある日 事件が起きた。
「アンタ、個性を使う授業だからって普通そこまでする！？」
1人の女子生徒が声を荒らげる。
普通科である俺たちが唯一 “個性”を使っていいと言われている年に1度の体力測定テストの時間に、その事件は起きたのだ。
「え、なに どうしたの？」
幼なじみはその事件の当事者ではなく
俺の隣で何があったのか分からずに首をかしげていた。
「個性のコントロール誤った奴があの女に怪我させちまったんだと」
「…わぁ 痛そう」
一部始終を見ていた俺からの説明を聞き
二の腕のあたりから血を流している女を見て、Aは表情を歪めた。
ヒーロー科とは違い 個性の使用に慣れていない為、こうしてコントロールを誤る者は少なくない。
「傷跡残ったらどうしてくれんの！？」
「ご、ごめんなさ…そんなつもりじゃッ…！」
けれど ここまで大きな声で揉められてしまえば
授業中のはずの他クラスの教室からも視線を集めることになる。
「…心操、先生は？」
「今は他の種目の計測にあたってる」
「わあ、なんてバッドタイミングなの」
こういう対人での面倒事を嫌う幼なじみは
はぁ…とため息をついて 騒ぎの中心である2人へと歩み寄った。
全く、人が良いというかなんと言うか。
「ほら落ち着いて2人とも。
佐々木さんの怪我はリカバリーガールの所行けば跡無く治ると思うよ。山野さんも悪気があってやった訳じゃないし、ね？」
クラスでもかなりの信頼を得ているAの言葉に
この騒ぎはこれで終わるものだ、と
俺を含めた周囲の人間全員がそう思っただろう。
けれど怪我をさせられたその女は
Aの落ち着いた声色に逆に神経を逆なでされたのかもしれない
「っ、るさいのよ！」
彼女の個性でバチバチバチ！ と電気を帯びたその右手を
Aに向けて振りかざしたのだ。
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TSUBAKI(プロフ) - なに、最高か (2019年10月9日 10時) (
レス) id: 693e23af59 (このIDを非表示/違反報告)
自分の目の前に天使が舞い降りてほしい 切実に - 人使の切ない心とかがすごく伝わってきてこっちまで悲しくなりました…人使と相澤先生と夢主ちゃんがこれからどうなるのか続きが気になります！更新楽しみに待たせてもらいます！！ (2019年8月14日 2時) (レス) id: da546de98e (このIDを非表示/違反報告)
クマグマ - このお話、すごく好きなので更新楽しみに待たせていただきます！ (2018年3月31日 17時) (レス) id: c478c89726 (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 相澤先生が大好きなので是非とも続きが見たいです！頑張ってください！ (2017年3月14日 23時) (レス) id: bf6acc7bbc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃとー - 相澤先生大好きです。一人ニヤニヤしながら読んでます！更新頑張ってください！ (2017年1月12日 15時) (レス) id: 9ee542576d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紙芝居 | 作成日時：2016年7月5日 1時
