No.12 ページ12
時間は有限だ、とはよく言ったものだ。
私の無意識の告白から 流れていくように2週間が過ぎた。
“先生に会ったらどんな顔をしたらいいんだ”
なんていう私の悩みを嘲笑うように、この2週間で先生に会う事は一度もなかった。
むしろ見かけることすら無くて落ち込んでいる程だ。
「…………会いたい」
「どっちだよ」
机に顔を突っ伏した私の口から思わず溢れた言葉を
隣の席に座り、次の授業の用意をする幼なじみがばっさりと切った。冷たい奴だ。
「2週間も見かけなかった事なんて無いんだもん」
むしろ、避けられてる気がするのだ。
自分の考えにまた深いため息をついた。
このまま私の周りにはキノコでも生えてくるんじゃないだろうか、なんて思うほどに じめじめした気分だ。
寂しい
さみしいなぁ、
「…じゃあ、そんなAに朗報」
「なに？」
くりっ、と顔をそちらに向けた。
今この状況での朗報なんて全然しょぼいんだろうけど。
「次の授業、担当の先生が急用だから 代わりに相澤先生来るって」
「……は！？ 嘘でしょ！？」
「ホント」
次の授業は英語。
急用で来れなくなったのはマイク先生か。
……ありがとうマイク先生、今度プリンでも買ってひっそり職員室の机に置かせてもらいます。
「でも何で心操がそんな事知ってんの」
「…ん、アレ」
彼の指は教室の一角に集まる女子の集団へと向けられた。
私も大人しく彼女らの会話に耳を傾けてみた。
「次の授業の先生ヒーロー科担当の人らしいよ」
「うそ、あのカッコいい人！？」
「アイザワ先生って言うんだってさ〜」
「えー、あの人なんか怖いじゃん…」
「でもヒゲとか髪型とかちゃんとしたら絶対カッコいいって！」
…先生の魅力を何一つ分かっていない会話に、ぐつぐつとお腹の奥の方が熱くなる。
「…先生は眉間にシワ寄せちゃうから怖く見えるけどあれってドライアイなだけで、べつに怒ってないし、ヒゲだって髪型だって今のままで超・超・超カッコいいもんね。見た目だけじゃなくて中身だってびっくりするくらい男前だし、実は生徒思いで、へぶッ！？」
大声で反論する勇気などない私がぶつぶつと呟いていると、突然 大きな手に顔を掴まれた。
どうせ心操だろう
とタカをくくってその手を両手でどかす。
向こう側にいた その人は
「…あほ」
予想していた 幼なじみではなかった。
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TSUBAKI(プロフ) - なに、最高か (2019年10月9日 10時) (
レス) id: 693e23af59 (このIDを非表示/違反報告)
自分の目の前に天使が舞い降りてほしい 切実に - 人使の切ない心とかがすごく伝わってきてこっちまで悲しくなりました…人使と相澤先生と夢主ちゃんがこれからどうなるのか続きが気になります！更新楽しみに待たせてもらいます！！ (2019年8月14日 2時) (レス) id: da546de98e (このIDを非表示/違反報告)
クマグマ - このお話、すごく好きなので更新楽しみに待たせていただきます！ (2018年3月31日 17時) (レス) id: c478c89726 (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 相澤先生が大好きなので是非とも続きが見たいです！頑張ってください！ (2017年3月14日 23時) (レス) id: bf6acc7bbc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃとー - 相澤先生大好きです。一人ニヤニヤしながら読んでます！更新頑張ってください！ (2017年1月12日 15時) (レス) id: 9ee542576d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紙芝居 | 作成日時：2016年7月5日 1時
