私。【ヒロアカ】 (ページ18)

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十七話ページ18

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『…暑い』

蝉がうるさい

ジメジメとした空気が体中に纏わりつく

滴った汗が首筋を通って服の中に入り込む

日本の夏は嫌いだ
ずっと寒いロシアに居たから暑さへの耐性がなくなった

隣を歩く爆豪も汗をかいている

倒れそうになりながらもやっと学校に着いた

校舎内は冷房が効いていて一気に生き返った

二人で教室に入れば、大騒ぎになった

芦「なんでバクゴーとAちゃんが一緒に学校来てるのー！！？」

緑「遂にかっちゃんにも春がッ…！」

峰「ヤッt((バシッ」

峰田くんが蛙吹さんに舌で殴られてるけどなんでかな

麗「なんで爆豪くんと来てるん？」

麗日さんがそう聞いてきた

だから私は”優等生らしく”答えた

『あぁ、登校中に暑さでしんどくなっちゃって、そのときに爆豪くんが助けてくれたの』

そう言えば切島くんが「漢らしいぜ爆豪！！」と言って、緑谷くんがとにかく驚いてた

八「そう言えば、破造さんはロシアから来ましたものね…」

『そうなの。だから日本の暑さに耐性がついてなくて…笑』

適当に愛想笑いをして済ます

上「俺、ずっと気になってたんだけどさ、破造。どしたの？それ。ボロボロじゃん」

上鳴くんの言葉に皆が賛同した

…どう言おうか

『実は、階段で足滑らせて落ちちゃって…』

あはは、と笑うと皆は笑いながらも心配してくれた

この時、爆豪だけは笑わずに、私の事をじっと見ていた

―――

爆豪side

教室に入った途端、ヘラヘラ女の雰囲気がガラッと変わった

俺の嫌いな、ヘラヘラした愛想笑いを浮かべ、興味も無い事に無理やり乗っているその感じ

俺がこいつといることも、その怪我も全部ウソを吐いた

ヘラヘラヘラヘラ笑いながら本当の事を話さずに嘘をペラペラペラペラ吐いて、まるでただの事故だったかのように済ます

俺はその行動が大嫌いだ

気色悪ィ

八「破造さん、後でリカバリーガールの所に行くことをお勧め致しますわ」

『否、大丈夫だよ。しんどいのは爆豪くんのお陰で治ったし、怪我も大したこと無い。お気遣い有難う、八百万さん』

芦「そう言えばAちゃん！買い出しの件、行ける！？」

黒目がそう言った途端、ヘラヘラ女の表情が強張った

『…ごめん、行けそうにないや。せっかく誘ってくれたのに、ごめんね？』

そう言ったソイツの瞳には、何も映ってなかった

只々深い闇のようだった

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