私。【ヒロアカ】 (ページ15)

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十四話ページ15

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この場に見合わない、気の抜けた音がなった

私のお腹の音だ

爆「…飯、作る」

そう言い、爆豪は私の肩から手を離し立ち上がった

『私も手伝う』

そう言って立ち上がったが上手く力が入らず転けてしまう

爆「怪我人は黙ってテレビ見とけ。次立ったら殺す」

そう言われたため、お言葉に甘えてソファに座り、テレビを見せてもらうことにした

？＜うまい！！！＞

某料理番組がやっていて、そこに出ていた芸人さん？は「うまい」と叫んでる

本当に美味しいのだろうか
中には不味いものもあるのだろうな

まぁ、美味かれ不味かれ食べ物の味が分からない私には関係のないことだ

でも、せっかく今から爆豪が作ってくれる料理の味もわからないのか
それは何かモヤッとするような変な感じがする

爆「出来たから座れ」

香ばしい香りが鼻を掠める

今度は上手く力が入ったから転けそうになかった

『…爆豪、料理できたんだね。意外』

テーブルの上には真っ赤な麻婆豆腐と普通の麻婆豆腐が並べられていた

『いただきます』

スプーンで熱々の麻婆豆腐を口に運ぶ

相変わらず、味はしない

爆「…不味ィとか上手ェとかなんとか言えや……！！」

『…ごめん、私、食べ物の味が分からない』

そう言うと、怖かった顔は一気に真顔になった

おそらく、何を言ってるんだヘラヘラ女は、とでも思っているのだろう

『中学生になってから段々と味が分からなくなった。完全に味が分からなくなった日からの毎日の食事は地獄だった。だけど、今は、何か違う…。地獄じゃない…』

爆「そうか、まァええわ」

『そっか。ごめんね』

爆「俺の料理が不味ィわけねぇからな！！！分かったかヘラヘラ女ァ！！！」

『うん』

こういう時、普通の皆は無駄にごめんとか言って気を使ってくるようになる
そのたびに私はどこか居心地が悪くなった

だけど、爆豪は違う

どうでもいいとでも思ってるかのように自分の料理は不味いわけがねぇ！！と言ってきて、更には味が分からなくて残念だなァ！！！と笑ってきた

それが逆に気が楽になった

もしかしたら、彼なりの優しさ、なのだろうか

もしそうだとしたら、爆豪は優しいな

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