【ヒロアカ】焦凍の双子の妹【2人の英雄】 (ページ22)

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22.小さい頃の夢ページ22

久しぶりに小さい頃の夢を見た。

あれは俺達の“個性”が出るほんの少し前。

轟『ゲホッ、ゲホッ』

冷『…風邪ね。今日は温かくして、ゆっくり寝ていなさい』

お母さんが温度計を見て、俺に布団をかけてくれる。

轟『うん…』

A『焦くん、大丈夫…？』

Aがお母さんの後ろから顔を出して心配そうに俺を見る。

冷『大丈夫、ただの風邪よ。今日1日ゆっくり休めば、明日には良くなるわ。だから今日は焦凍に近付いちゃダメよ』

A『あ…』

お母さんはそう言って、Aの手を引いて部屋を出て行った。

轟『…』

部屋に1人ぼっちになり、俺は少し心細くなる。

寝ようと目を閉じると、外でお兄ちゃん達の楽しそうな声が聞こえてくる。

轟『(いいな、僕も皆と…Aと遊びたいな…)』

どんどん心細さが強くなっていき、俺は目に涙を浮かべて、ガバッと布団を頭まで被った。

すると、微かに襖の開く音がして、俺は布団から顔を出す。

部屋に入って来たのはAだった。

轟『A！？むぐっ！』

A『しー！』

轟『な、なんで…』

A『焦くんが1人で寂しい思いしてるんじゃないかな〜って！ほら、双子の勘ってやつ！』

轟『で、でも、ここにいたら風邪移っちゃうよ…！』

A『私なら大丈夫だよ』

そう言うと、Aは俺の手を握った。

A『焦くんが眠れるまで、私はずっと焦くんの傍にいる！だから早く風邪治してまた一緒に遊ぼう！』

轟『！ありがとう、A』

Aの安心する笑顔に、俺も自然と頬が緩んだ。

Aと話していると、さっきまで眠たくなかったのに、急に眠気が襲ってきた。

轟『！』

ハッと気が付くと、辺りは真っ暗で、俺以外誰もいなかった。

轟『A…？A！』

俺は不安になり、さっきまで傍にいたAの名前を叫ぶ。