番外編2-9 隠された真実 ページ9
A｢ど、どういう事…？｣
植野さんの言葉に、私は混乱した。
植野｢実は私、生まれた時から持病があってたんだ。丁度あの日は検査の日だったんだけど、私はA達と遊びたかったから、お母さんに嘘をついて、A達が待つ公園に行って…その…｣
そこまで言うと、植野さんは口を噤んだ。
赤外｢…あの時、花さんが倒れたのは、持病のせいなんです。けれど、花さんのお母さんが激怒して、嘘の話を流したんです｣
A｢嘘の話…？｣
赤外｢ええ。｢うちの子の火傷は、あの轟さん家のAちゃんに負わされたの！｣と。私達、あの時のショックで何も覚えてなくて…｣
多弾｢その話を信じちゃったんだ…｣
植野｢…っ、ごめん…A…！高校で再会した露召呂達にあの後の事聞いて、私…！｣
赤外｢…っ、私もすみませんでした…！嘘の話を信じ、友達であるAさんを信じてあげられなかった…！｣
多弾｢本当にごめんなさい…！｣
植野さんが泣くと、赤外さん、多弾くんも泣き出す。
A｢…っ、よかった…｣
植野｢え？｣
A｢花ちゃんが火傷してなくて、本当によかった…！｣
私は目に涙を浮かべて、花ちゃんに笑いかけた。
藤見｢A｣
A｢？｣
振り返ると、露召呂くんが頭を下げていた。
藤見｢ごめん！俺、今までお前に酷い事をした！本当にごめん！！｣
植野｢露召呂…｣
A｢…｣
私は黙ったまま、露召呂くんに近付いた。
A｢もういいよ｣
藤見｢！そうだよな…今更許してくれなんて、虫が良すぎるよな…｣
A｢ううん、そうじゃないよ。露召呂くん、頭上げて。今までの事ならもう気にしてないから。ね？｣
藤見｢！本当にごめん…｣
私が微笑むと、露召呂くんは涙を流して、私にもう一度頭を下げた。
A｢私こそごめんなさい｣
私は皆の顔を見て、頭を下げた。
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作者名：高槻凪月 | 作成日時：2020年2月19日 0時
