180.男の気迫 ページ49
？｢すまない、虎。前々からいい“個性”だと。丁度いいから、もらうことにしたんだ。こんな体になってから、ストックも随分と減ってしまってね…｣
ﾄﾞｫｰｰﾝ!!
誰かの声が聞こえてきたその直後、大爆発が起こった。
？｢せっかく弔が自身で考え自身で導き始めたんだ…出来れば邪魔はよしてほしかったな｣
息も出来ない、振り向く事も出来ない。
何が起こったのかも分からない。
それでも、その男の気迫は…私達に死を錯覚させるほどだった。
？｢流石No.4、ベストジーニスト。僕は全員消し飛ばしたつもりだったんだ。皆の衣服を操り瞬時に端へ寄せた判断力…技術…並の神経じゃない｣
ﾄﾞｰﾝ!
ﾍﾞｽﾄｼﾞｰﾆｽﾄ｢がっ…｣
？｢なるほど…相当な練習量と実務経験ゆえの強さだ。君のはいらないな…弔とは性の合わない“個性”だ｣
誰かの拍手の音がして、すぐに衝撃音とベストジーニストの微かな声が聞こえてきた。
焦凍｢(な、何だあいつ？)｣
A｢(何が起きたの？)｣
切島｢(一瞬で全部、かき消された！)｣
八百万｢(逃げなくては…！分かっているのに…)｣
飯田｢(恐怖で、体が…)｣
緑谷｢(…体が…動かない…一体…何なんだ…アレは…！？)｣
｢…っ、くっせぇ！｣
水音のような音がして、苦しそうな勝己くんの声が聞こえてきた。
A｢！｣
爆豪｢んじゃこりゃ…！？｣
微かに首を動かすと、男の前に勝己くんが咳をしながら立っていた。
A｢(勝己くん！)｣
？｢悪いね、爆豪くん｣
爆豪｢ああ！？｣
ｽﾋﾟﾅｰ｢…っ｣
ﾄｶﾞ｢何なんですか…？｣
ﾄｩﾜｲｽ｢何か臭ぇ！いい匂い！｣
勝己くんが現れた時と同じ音がして、ヴィラン連合が現れた。
死柄木｢先生…｣
？｢また失敗したね、弔。でも決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。こうして仲間も取り返した。この子もね。君が大切な駒だと考え判断したからだ。
いくらでもやり直せ。その為に僕がいるんだよ。全ては君の為にある｣
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作者名：高槻凪月 | 作成日時：2020年2月19日 0時
