170.何も出来なかった悔しさ ページ39
切島｢んなもん分かってるよ！でもさ、なんも出来なかったんだ！ダチが狙われてるって聞いてさ！なんっも出来なかった！しなかった！ここで動けなきゃ俺は、ヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ！！｣
そう叫ぶ切島くんは、とても辛そうだった。
上鳴｢切島、ここ病院だぞ。落ち着けよ。こだわりはいいけど、今回は…｣
蛙吹｢飯田ちゃんが正しいわ｣
切島｢飯田が、皆が正しいよ。そんな事は分かってんだよ。でも！なぁ緑谷、まだ手は届くんだよ！救けに行けるんだよ！｣
切島くんはそう言って、デクくんに手を差し出した。
芦戸｢えっと要するに、ヤオモモから発信機のやつもらって、それ辿って自分らで爆豪の救出に行くって事？｣
切島｢ああ｣
焦凍｢ヴィランは俺らを殺害対象と言い、爆豪は殺さずさらった。生かされるだろうが、殺されないとも言い切れねぇ。俺とA、切島は行く｣
飯田｢ふ…ふざけるのも大概にしたまえ！！｣
A｢ふざけてなんかない！！｣
私は、飯田くんの声に負けないくらいの大きな声でそう言った。
A｢ふざけてなんかない…私達は本気だよ、飯田くん…｣
私は震えながら、飯田くんを見た。
A｢…っ、私だって何も出来なかった…！勝己くんが危ない目にあってるのに…勝己くんに｢絶対救ける｣って言ったのに…私、何も出来なかったんだよ…！！｣
感情が高ぶったせいか、自然と涙が溢れてくる。
焦凍｢A…｣
焦凍が私の肩を引き寄せて、頭を優しく撫でてくれる。
障子｢待て、落ち着け。切島とAの何も出来なかった悔しさも、轟の眼前で奪われた悔しさも分かる。俺だって悔しい。だが、これは感情で動いていい話じゃない。そうだろ？｣
青山｢オ、オールマイトに任せようよ…林間合宿で、相澤先生が出した戦闘許可は解除されてるし｣
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作者名：高槻凪月 | 作成日時：2020年2月19日 0時
