【ヒロアカ】焦凍の双子の妹 2nd (ページ35)

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77.父への恐怖ページ35

轟『ゲホッ！ゲホッゲホッ！』

炎司『立て！こんなもので倒れていては、オールマイトはおろか雑魚ヴィランにすら…』

俺がどれだけ泣こうと、どれだけ吐こうと、特訓をやめてくれなかった親父。

A『やめて、お父さん！焦くんが…焦くんが死んじゃう！』

道場の戸が勢い良く開いて、Aが親父の足にしがみつく。

炎司『うるさい！“失敗作”は黙っていろ！！』

ﾊﾞｼｯ!

A『きゃっ！』

親父に叩かれて、俺の傍に倒れ込むA。

轟『A…！』

冷『やめてください！焦凍もAもまだ五つですよ！』

炎司『もう五つだ！邪魔するな！！』

ﾊﾞｼｯ!

冷『あっ！』

お母さんはいつも俺を庇ってくれる。

けどその度に親父に叩かれる。

轟・A『お母さん…！！』

俺の“個性”が出た日から、こんな事は日常茶飯事だった。

轟『嫌だよ、お母さん…僕…僕…お父さんみたいになりたくない…お母さんとAをいじめる人になんてなりたくない！』

お母さんは、いつも泣いている俺の頭を優しく撫でてくれた。

冷『でも、ヒーローにはなりたいんでしょ？
いいのよ、お前は。強く想う将来があるなら…』

緑谷｢だから…僕が勝つ！君を超えて！！｣

緑谷に重い一撃を食らわされ、俺は吹っ飛ばされた。

その間も、俺の頭の中には小さい頃の記憶が流れていた。

庭で楽しそうに遊んでいる姉さんや兄さん達。

その中に何故かAはいなかったけど、その時の俺はただそれを、羨ましそうに眺めている。

そんな俺の手を、親父が引っ張る。

炎司『焦凍、見るな。アレらはお前とは違う世界の人間だ』

親父に引っ張られる中振り向くと、姉さんや兄さん達が何か言いたげな顔をしていた。

でも皆、親父が怖いから何も言えないでいる。

別に俺はそれ恨んではいなかった。