63.作りものの笑顔 ページ21
爆豪『んな作りもんの笑顔浮かべて、てめぇ辛くねぇんかよ』
焦凍を探しに行った時に、爆豪くんに言われた言葉。
私の胸には、その言葉がずっと突き刺さっていた。
麗日｢──ちゃん、Aちゃん！｣
A｢！な、何？｣
私はハッとして、お茶子ちゃんを見た。
麗日｢どうしたん？ぼーっとして｣
A｢ううん、何でもないよ！それにしても美味しいね、このご飯！｣
私は笑って、ご飯を食べ進めた。
そして＿＿＿
A｢ハァ…ハァ…｣
麗日｢Aちゃん！逃げんといて！｣
私今、お茶子ちゃん達に追いかけ回されている。
A｢嫌だ！チアなんか絶対着ないから！！｣
八百万｢お願いします！あと轟さんだけなんです！｣
耳郎｢そうだよ！ウチだって恥ずかしいんだから！！｣
A｢嫌ったら嫌！！｣
ﾊﾞﾝｯ!
私は控え室に閉じこもった。
爆豪｢何しとんだ？｣
しばらくお茶子ちゃん達の声とノックの音がしてたけど、爆豪くんの声が聞こえてきた。
麗日｢爆豪くん！｣
八百万｢轟さんにこれを着てもらおうと｣
ドアの向こうから会話が聞こえてくる。
A｢(嫌…！だってあんな露出の多い服着たら、火傷が見えちゃう…！)｣
ｶﾞﾁｬｯ
何の物音もしなくなって、私はドアを開けた。
A｢爆豪くん…！｣
すると、ドアの横で爆豪くんが壁にもたれていた。
爆豪｢あいつらならどっか行ったぞ｣
A｢そ、そっか…ありがとう、ごめんね｣
私はまた笑おうとしたけど、何故か笑えなかった。
爆豪｢…おう｣
爆豪くんはそう言って、歩いていく。
A｢…｣
私はその場に蹲った。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2020年1月15日 19時
