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……これが、爆豪くんなりの甘え方だったのだろうか。
目の前の穏やかな寝顔を見つめながら、ふとそんなことを思う。
爆豪くんは私をベッドに引き摺りこみ抱き枕にすると、満足げに笑みを浮かべ、ずっと離してはくれなかった。加え、
「ぶっは、テンパってんじゃねーよA」
とか、
「顔あっか、ザコめ」
だとか、言葉による翻弄も欠かさなかった。
それだけでは飽き足らず、彼は時折私の頬を弄ったり、頭を撫でたりして来たので、その都度来る感情の波にも耐えなければならなくて。
故に、精神的な余裕で圧倒的敗北を決めていた私は今こうして、一人意識を取り残されていた。
勘は当たっていたようで、しばらくすると爆豪くんは羞恥に悶える私を置いて眠ってしまった。やっぱり疲れには勝てなかったのだろう。
……こんな甘え方をするとは思わなかった。
変に素直というか、天邪鬼というか。
対称的な表現だが、どちらも確かに私の今抱いている爆豪くんの人物像だった。
普段あれだけ荒れ狂っているのに、ふとした時に私に見せる表情や言動はどことなく切なそうで、苦しそうで。
私は、爆豪くんを癒せたのだろうか。
赤ん坊みたいに柔らかな表情を見つめて、心臓を鷲掴みにされたような苦しさが襲った。
「……」
……それだけ無防備に抱きしめてくれるなら、私はいくらでも尽力するのに。
言い様もないもどかしさが満たし、彼のツンツン頭を撫で返す。
「爆豪くん」
疲れ切った彼の眠りを妨げないように、そっと呟く。
「……私の前でくらい、素直になっていいんですよ」
小さく囁いて、彼の胸に顔をうずめた。
瞬間、爆豪くんが少しもぞっと動いた気がした。
ハッとして顔を上げたが、その目はしっかりと閉じたまま。よかった、起こしてなかった。
安堵の溜息と共に緊張の糸がプツリと切れ、代わりにどっと倦怠感や睡魔が襲ってくる。もしかしたら私も、爆豪くん程ではないが疲労が溜まっていたのかもしれない。
彼の温もり。皺のない素の表情。息遣い。
コチ、コチと部屋に響く時計の音さえも、眠気を誘発してきた。
「私も、寝ます……。おやすみなさい、爆豪くん……だい、すき……で……」
言い終わらないうちに瞼が重くなり、耐えきれず視界が闇に覆われた。力が抜けて、精力が吸い込まれていくような感覚。
意識が遠ざかり、思考が乖離するその瞬間にーー、
「……だ」
完全に暗闇に沈む寸前に、彼の低い声が聞こえた気がした。
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如月 - ありがとうございます！(*｀･ω･)ゞ (2019年8月13日 11時) (
レス) id: 26dff16a4d (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 甘党さん» こちらこそ、リクエストありがとうございました！妄想が捗って、書くのがとっても楽しかったです(笑)宜しければ続編も、どうぞご贔屓にしてください。 (2019年8月12日 21時) (レス) id: 3c371268a1 (このIDを非表示/違反報告)
甘党(プロフ) - 『彼氏を甘えさせよう！』読みました！リクエストに答えていただきありがとうございました！すごくキュンキュンして浄化しそうでした…これからも頑張ってください！！ (2019年8月12日 2時) (レス) id: 672f68fdf6 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 如月さん» リクありがとうございます！ 勝己くん呼びしたいですねえ……！合点承知之助です！ (2019年8月12日 2時) (レス) id: 3c371268a1 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - いつも楽しく見させてもらっています！リクエストで下の名前で呼んでみたをお願いします(*｀･ω･)ゞ (2019年8月11日 9時) (レス) id: 26dff16a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年5月8日 0時
