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やばい。どうしよう。
「あ……あ、あぁぁ」
心が奔馬のよう逸り、意味をなさない母音が口から漏れ出す。もう頭がごっちゃごちゃだ。
「お、お待たせしました……」
少し震えた店員さんの声と共に、注文したものがおずおずと差し出された。一刻も早くこの場を立ち去りたくて、急いで財布を出そうとして、爆豪くんの声で阻まれる。
「オラ行くぞ」
「あっ、支払いがまだ」
「もう金は払った」
「えっ？」
なんという早業。カウンターに目を向けると、確かにそこには代金が差額なくきっちりと置かれていた。
頼んだものを受け取り片手に持った爆豪くんが、もう片方で私の手首を掴んだ。ぐい、と引き寄せられ、足がもつれそうになる。
「ついてくんじゃねーぞモブ共！！」
爆豪くんはそう言い放って周囲を威嚇した後、私の手首を捕まえたままズンズンと歩き出した。悠斗くんが置いてきぼりだ。
混乱していてもこの子だけは頭にあったため、私は慌てて悠斗くんの小さな手を掴んだ。それを確認したのか否か、爆豪くんの足並みが速くなる。私達は爆豪くんを先頭に、ザワザワとしたその場を足早に去っていった。
「は、恥ずかしい目に遭いました……」
あの場と遠く離れた場所に逃げ、休憩ソファ−に腰掛けた。はぁ、と安堵のため息をついて、さっきの騒ぎの元凶をちらりと見た。私たちの事は気にも留めず、満ち足りた顔でオールマイト型アイスを頬張るその姿が恨めしい。
が、きっと悪気はないのだろう。純粋な子供にそんな恥の念を訴えるのは憚られた。行き場のない羞恥心を誤魔化すように、紙袋に顔をうずめる。
うー、と身悶えていると、爆豪くんが嘲笑うように追い討ちをかけた。
「こんぐれェ慣れろやヘタレ」
「む、無理です……、色んな人の視線が自分に集まるの、苦手なので……」
「てめぇそれプロヒーローになったらどーすんだよ、さっきの騒ぎどころじゃ済まねぇぞ」
「うう、分かってはいるんですけど……まだ、猶予が欲しいです」
顔を紙袋から離し、小さく笑って気を紛らわすように自分の手をモジモジと動かす。
「私は爆豪くんと違って、余裕が無いので」
「……俺だってねぇわ」
「……あっ、すみません、聞こえなかったです」
「何でもねぇよクソ」
爆豪くんが小さくなにか呟いて、落ち着かない私の手を引っ張った。
「立てや、あのクソガキ届けんぞ」
「あ、はい！」
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如月 - ありがとうございます！(*｀･ω･)ゞ (2019年8月13日 11時) (
レス) id: 26dff16a4d (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 甘党さん» こちらこそ、リクエストありがとうございました！妄想が捗って、書くのがとっても楽しかったです(笑)宜しければ続編も、どうぞご贔屓にしてください。 (2019年8月12日 21時) (レス) id: 3c371268a1 (このIDを非表示/違反報告)
甘党(プロフ) - 『彼氏を甘えさせよう！』読みました！リクエストに答えていただきありがとうございました！すごくキュンキュンして浄化しそうでした…これからも頑張ってください！！ (2019年8月12日 2時) (レス) id: 672f68fdf6 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 如月さん» リクありがとうございます！ 勝己くん呼びしたいですねえ……！合点承知之助です！ (2019年8月12日 2時) (レス) id: 3c371268a1 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - いつも楽しく見させてもらっています！リクエストで下の名前で呼んでみたをお願いします(*｀･ω･)ゞ (2019年8月11日 9時) (レス) id: 26dff16a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年5月8日 0時
