･ ページ14
「凄いです、がっしりしてますね」
彼の手は大きく、私の両手でやっと覆えるほどだった｡普段ここから爆発を起こしている為か、その皮膚は厚く、固い｡
「別にこんくれぇ普通だろ」
「そんなことないですよ｡他の人で、こんなに固くて安心する強い手はないです」
確かめるように爆豪くんの手を優しく揉みながら、彼の言葉を否定した｡
そのゴツゴツとした手からは、日頃の鍛錬や努力から来る頼もしさがじわじわと伝わってくる｡
だからこんなにも心が落ち着くのだと、一人納得してうんうんと頷いた｡
「この手でこうやって頭を撫でてくれるだけで、幸せになるんです」
握っていた彼の手を自分の頭に乗せて、小さく呟く｡彼が触ってくれるだけで自分の心は満たされ、安心感に包まれるのだ｡
我ながらよく恥らわずにこんな素直すぎる言葉が吐けるなと心の中で失笑しつつ、彼の手に満足して手を離すと｡
ぽんぽんと、優しく髪を掻き撫でられているような感覚｡それに反応し、顔を上げて彼の顔を仰ぎみた｡しかめっ面で、でも少しだけ顔を赤くしている爆豪くんは私と目線を合わせてくれない｡
「……気持ちいかよ」
そうぶっきらぼうに言う爆豪くんの手つきは穏やかで、慈しむようなその触り方に少し戸惑った｡
……でも｡
「気持ちいいです｡もっとしてください」
やはり大好きな人に撫でられるのは心地がいいし、何度してくれても嬉しいのだ｡
素直に自分の気持ちを話すと、爆豪くんは目を見開き不意にこちらを見て、すぐにまた決まりが悪そうに視線を逸らした。照れているのだろうか｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 569人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
如月 - ありがとうございます！(*｀･ω･)ゞ (2019年8月13日 11時) (
レス) id: 26dff16a4d (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 甘党さん» こちらこそ、リクエストありがとうございました！妄想が捗って、書くのがとっても楽しかったです(笑)宜しければ続編も、どうぞご贔屓にしてください。 (2019年8月12日 21時) (レス) id: 3c371268a1 (このIDを非表示/違反報告)
甘党(プロフ) - 『彼氏を甘えさせよう！』読みました！リクエストに答えていただきありがとうございました！すごくキュンキュンして浄化しそうでした…これからも頑張ってください！！ (2019年8月12日 2時) (レス) id: 672f68fdf6 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 如月さん» リクありがとうございます！ 勝己くん呼びしたいですねえ……！合点承知之助です！ (2019年8月12日 2時) (レス) id: 3c371268a1 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - いつも楽しく見させてもらっています！リクエストで下の名前で呼んでみたをお願いします(*｀･ω･)ゞ (2019年8月11日 9時) (レス) id: 26dff16a4d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真実 | 作成日時：2019年5月8日 0時
