どうも、学生の敵です。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ6)

今日:14 hit、昨日:1 hit、合計:32,005 hit

記憶が4つページ6

『すみません！通してください！！』

人の間を掻き分け、騒ぎの中心に目を向ける。

『(敵(ヴィラン)と. . . 中に、人が取り込まれてる！！)』

誰だかよく見えないが、恐らくその人の個性の影響でヒーローの救助が上手くできないのだろう。

あんな中で耐え続けるなんて絶対に無理だ。あの人を. . . 助けなければ。

考えろ。考えるんだ、A。

どうしたら、あの人を助けることができるのだろうか？

. . . 恐らく、あの人が個性を発動している限り、あの人のみを助けるのは不可能だ。

敵(ウ゛ィラン)を倒そうにも、あのスライムのような体では、物凄い力で吹き飛ばさない限り、それは困難だろう。

. . . . . ん？スライム？

. . . もしあの敵(ウ゛ィラン)がスライムと同じ原理で出来ているとしたら

もしかしたら、倒すことが出来るかもしれない。

そう考え、手元の買い物袋の中を見る。

. . . お酢。

昔読んだ本が正しければ、これをかければあの敵(ウ゛ィラン)は溶けてしまう筈だ。

本当に運が良いのか悪いのか。ともかく、これを敵(ヴィラン)にかけることが出来れば. . .

. . . . .出来るのか？私に。

何の“力”も持っていないこの私に。

ヒーローに掛け合って、彼等に任せた方が良いのでは？

なんて、直ぐに行動に移せない自分が嫌になる。

上手くいかなかったら、失敗したら、どうしよう。

そんな恐怖で体が動かない。ああ、もう本当に嫌だ。こんな自分が。

そう考えていた、そのとき。

「馬鹿ヤロー！！

　止まれ！！止まれ！！！」

誰かが発した叫び声に思わず顔を上げると. . .

『緑谷. . ．くん？』

敵(ウ゛ィラン)に向かって一直線に走る、彼の姿が見えた。

. . . . . そうだよ。助けなきゃ。

何やってんだよA。迷うことなんて何処にも無いじゃないか。

「おい！？何やってんだ！！

　早く戻ってこい！！！」

その叫び声が、今度は私に向けられている。

何も考えていない。何も考えられない。

とにかく、彼奴の元まで一直線に走り. . .

手に持っている“秘密兵器(お酢)”を思いきり投げつけた。