どうも、学生の敵です。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ5)

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記憶が3つページ5

『よし。これで全部かな。』

両手いっぱいに買い物袋を提げ、独りでに呟く。

. . . どれだけ荷物を持たせる気なんだよ。母さんは。

『まだ時間はあるな. . .

　生ものは無いし、少し休んでからいこう。』

さっきのノートの中も見てみたいし。←

そう考え、近くにあった公園のベンチに腰かける。

そして、鞄の中からさっき拾ったノートを取りだし、表紙をめくると. . .

『すごい. . . 』

トップヒーローからマイナーヒーローまで、様々なヒーローについての情報が書かれていた。

流石に私もここまでのヒーローの情報は記憶していない。いや、記憶しようとしていなかった。

緑谷くんは無個性だったはずだ。記憶の中では。

なのにこのノートを書き続けてるってことは、まだ諦めていないのか。ヒーローになることを。

『すごい. . . 』

今度は、その彼に向かって呟く。

私は、諦めていた。ヒーローになることを。自分の夢を。

ヒーローはとても力無しでは成り立つものではない。だから、しかたのないことだと思っていた。

. . . しかたがないのか？本当に？

(Aちゃんの個性は学者とかに向いてそうだよね。

　
　. . . ヒーローよりも。)

うるさい。

(ヒーロー？Aさんは受験生なんだから、たまには現実も見ないと。)

うるさい。

(ヒーローはやめた方がいい。無理だよ。お前のその“個性”じゃ。)

『うるさいうるさいうるさぁぁああいっ！！』

私だって。私だって。

『なりたいよ。ヒーローに。』

そう呟いて、思わず空を見上げる。

私の心の中とは正反対に真っ青で、透き通っていて

まるで今の私をあざ笑っているかの様に思えてくる。

私の今の気持ちを例えるなら. . . そう。

あの真っ青な空にﾓｸﾓｸと拡がっていっている灰色の煙のような。

. . . . . ん？煙？

急いで目線を前に戻すと、大勢の人だかりが出来ていて、中にはヒーローの姿も見える。

『. . . まさか、敵(ウ゛ィラン)！？』

気がつけば、私は騒ぎの中に向かって駆け出していた。