どうも、学生の敵です。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ14)

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記憶が12つページ14

『大丈夫。

　絶対に出来る！』

自分に暗示を掛けるように呟きながら、数メートル後ろに落ちている仮想敵の破片の元まで走る。

少し進むと、砂埃で全体は見えないながらも破片のシルエットが見えて来た。

『よし．．．！』

これを取って直ぐに逃げれば、まだ間に合う！

そう考えながら目の前に現れた破片に手を触れると、先程と同じ様な青白い光が広がった。

『．．．っ！！

　またこれかっ！』

瞬時に膨大な情報量が頭に入り込んできて、さっきと同じように手を放す。

やはり、まだ上手く扱うことはできないか。

頭では冷静に分析しながらも、今頭に入ってきた情報に鼓動が早くなるのを感じる。

．．．女の子が倒れてる！？

頭の中で繰り返されるのは、瓦礫に埋もれ身動きが取れていない女の子の姿。

このままいけば、あの子はギミックにやられて受験を受けられなくなってしまうだろう。

．．．．．助けるか？

いや、そんなことをしたら完全に時間のロスだ。下手すればギミックに襲われて強制終了にさせられる。

ここは試験の場だし、あの子だって大層な怪我はしないだろう。

きっと、試験を強制的に終了するだけで済むはず．．．

『．．．くそっ！』

悪態を吐きながら、先程頭の中でみた女の子の場所まで走る。

何で、いいのか？これじゃあ試験に受からなくなってしまうかもしれないんだぞ？

．．．でも

女の子の目の前まで来て、持っている破片で女の子の上に積み重なっている瓦礫を殴り飛ばす。

「．．．．．え？」

『早く、逃げてっ！！』

女の子に叫ぶ様にそう伝えて、目の前に迫っているギミックに目を向ける。

(Aは、人を助けようとした。

　．．．それは、ヒーローにとって最も大切な"力"なんだよ。)

そうだよね、お母さん。

拳を振りかぶってくるギッミクをしっかり見据えて、腰を低く屈める。

．．．これが、私の"力"だ。