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翌日、いつものように球場入りする。
「お疲れ様です」
みんな昨日のことはなんてことないように、普通にしていた。
結構驚いたと思うけど…改めて話題に出すほどじゃないって感じか。
「やー昨日、凄かったすね、なんだったんでしょう、あの女の子」
とは思いつつ、やはり昨夜の出来事が気になりロッカールームで偶然居合わせた哲人さんに話しかける。
しかし。
「女の子？秀樹、女遊びでもしたん？」
「はっ？え、いや、昨日バケモノと戦った女の子ですよ」
「バケモノ？女の子？秀樹何の話してるん」
「え、本当に覚えてないんですか？」
「覚えてないも何も、昨日はオフやったん、秀樹とも会ってないやんけ」
「！？」
昨日はオフだった…？
哲人さんは何を言ってるんだ。
それとも俺が間違ってるとでも…？
徐々に俺が混乱してくる。
とりあえず俺の勘違いということにして、その場を後にした。
他の人にも聞いてみなければ。
「宗さん！昨日って…」
「昨日？オフゆっくりできたか？」
…！
まただ。
また、昨日はオフだったことになっている。
その後何人かにも聞いてみたけど、みんな口を揃えて昨日はオフだったという。
バケモノが出たことはおろか、試合があった事すらなかったことになっている。
そんなことがあるだろうか。
みんなで俺を騙そうと…？
いや、でもそんなことする理由もないし…
ますます混乱してきた。
訳が分からないと言ったまま、ロッカールームに戻る。
すると、怪訝な表情の壮真がいた。
「壮真？どした？」
「秀樹さん、変なんです」
「何が」
「何故か俺以外みんな、昨日はオフだったっていうんです」
「！！！！！」
「だって昨日はバケ「壮真ストップ」」
言葉を続けようとする壮真を制止する。
俺と同じことを思ってるやつがいた。
「壮真、今日帰寮したら俺の部屋来れる？」
「え、なんですか急に、行けますけど…」
「この話、帰ったらゆっくり2人でしよう。な？」
「分かりました」
怪訝そうに了承する壮真をよそに、支度を再開する。
今俺たちの身に、何が起こっているというのだろうか。
・
・
・
支度を終え、コブシ球場に向かう。
その道中だった。
一瞬すれ違った女の子に見覚えがあり、気づくとその手を掴んでいた。
「え、なんですか…？」
見間違いじゃなかった。
昨日の女の子だ。
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作者名：麗華 | 作成日時：2024年2月14日 4時
