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｢そ、そう…？じゃあお言葉に甘えようかな｣
｢おう、今支度するから待ってて｣
｢わかった、ここだと邪魔になるから玄関の方で待ってるね｣
彼女を送っていけるのが嬉しくて、ちょっと笑顔になった。
「はい、どーぞ」
「ありがと、お邪魔します」
俺の車まで案内して助手席のドアを開ける。
車に異性を乗せるのが初めてなことと、お邪魔しますと言われたのが相まって少し緊張する。
「よし、じゃあ行くか」
「はーい、道案内は任せて」
「私、夜の首都高って好き」
「そうなの？」
「アトラクションみたいじゃない？ビルに挟まれてて、ライトが綺麗で」
「あー確かに。ちょっと分かるかも」
そんな他愛ない話をしながら車を走らせる。
彼女とのドライブはとても心地が良かった。
「なぁやっぱ宿舎まで送ってく。途中で降ろすのなんか心苦しいっつーか」
「え、ほんと？いやでも試合終わりで疲れてるとこ悪いよ…」
「これくらい気にすんなって、俺とお前の仲じゃん？」
言うて、そこまで親しくないよなと内心でツッコミを入れながらそんな風に言ってみる。
すると彼女が、どんな仲、と笑った。
「まぁ、教育係だし？」
「それがあったか」
「おうよ」
「言うほど私何も秀樹さんに教わってなくない？」
「言ったな？」
そんなやり取りをして二人で笑い合う。
その笑顔をミラー越しに見つめる。
ああ俺、やっぱりこいつの笑った顔が好きだ。
この先も俺の隣で…………
っていやいや、俺何考えて。
それじゃあまるでこいつのこと…
そこまで思ってハッとする。
もしかして、俺…………。
「さんっ、ひーできさん」
「うおっ、なに」
彼女の呼ぶ声で我に返る。
「何じゃないよ。呼んでも反応ないから。ちゃんと安全運転でお願いね？」
「おうよ任せとけ」
そう言って改めてハンドルを握る。
彼女とのドライブがいつまでも続けばいいと思った。
「はい、とーちゃくっと」
「ありがとう〜！めちゃくちゃ助かった！」
「いえいえ、可愛い後輩のためなら何時でも足になるからな」
そう言って彼女の頭に手をやる。
「…！！」
「なに、照れてんの？」
「だ、だってその、慣れないから…」
「なにそれ、かーわい」
思わず本音が漏れる。
目の前にはさらに顔を赤くする彼女がいた。
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作者名：麗華 | 作成日時：2024年2月14日 4時
