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キラキラして、眩しい。
まるで太陽のような。
日が落ち切った神宮球場で、バックスクリーンに一人の少女が降り立つ。
「試合の邪魔する悪い子は、私が相手になってあげる」
そう高らかに宣言する彼女から目が離せない。
俺も、壮真も、監督も、お客さんも、みんなみんな彼女に釘付けだった。
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遡ること数時間前。
今日もいつも通りに試合が始まる。今日はナイターだから、ライトに照らされた球場が眩しかった。
滞りなく試合が進んでいく。
俺たちのリードで試合が折り返したあたりだった。
「！？」
突然、地鳴りのような音がして、地面が大きく揺れる。
その時だった。
球場のど真ん中が大きく震撼したかと思うと、突如として得体の知れない何かが現れる。
最初は騒然としていた球場内だったが、徐々に状況を理解していったのか、悲鳴と思しき声が上がり始めた。
「なんだよあれ…」
「バケモノ…」
そんな声が周囲から聞こえてくる。
その何かは犬のような胴体に、頭が3つついている、バケモノと呼ぶに相応しい姿だった。
「秀樹さん大丈夫ですか…！」
そう俺に駆け寄ってきたのは後輩の内山壮真。
壮真も状況が読めないのか、困惑した表情をしていた。
「ああうん、俺は平気…それよりこれなに？なにかのドッキリ…？」
「俺にも分かりません…でもドッキリにしちゃ、大掛かりすぎる気が…」
徐々に悲鳴は大きくなり、出入口にどっと人が押し寄せる。
逃げ惑う人々の姿はとても現実とは思えなかった。
とても試合どころではなく、係員の指示に従って避難するようアナウンスが流れる。
選手陣も一堂に集められた。
「俺あれ知ってんねん、ケルベロスちゅーやつやろ？」
「その通り、地獄の番犬、ケルベロスくんだよ」
「「「！？」」」
バケモノを指さす哲人さんの横からどこからともなく現れた少女がそう告げる。
「いや誰」
「まったく、みんなの大切な試合壊しちゃってたまんないよね」
誰と突っ込む宗さんをよそに、彼女が悠々とグラウンドを歩きながらそう告げる。
そうして、数歩進むとくるっとこちらを振り返ってこう言った。
「安心して。みんなの大切なこの場所を、絶対に傷つけさせないから」
タッ
「変身」
彼女は勢い良く地面を蹴ると、短くそう言って瞬く間に光に包まれていく。
その光はぐんぐん上昇し、空高く登ったところで大きく弾けた。
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作者名：麗華 | 作成日時：2024年2月14日 4時
