73,見つめながら ページ14
梅雨時の屋上は、少し肌寒かった。
授業が始まる前のこの時間に、あたし以外に人が居るはずも無く、何を気にすることもなく、泣けた。
と、いうよりは、勝手に涙が零れてきた。
どうしようもなく、とめどなく溢れる涙を止める術をあたしは知らなかった。
「……そんなに嫌いですか」
空を見つめたまま、空虚な声を絞り出した。
「あぁ、嫌いだよ」
聞こえるはずのない返事が聞こえ、肩を震わせる。
体育座りで膝に顔をうずめて泣いているあたしの前には白竜が居た。
「一体お前はいつ俺に謝罪するんだ？あんな目に遭っているのも、元はと言えば、お前のせいだろ」
だから、あたしはやってない。
何回も、何回も、殴られながら、蹴られながら、罵られながら、叫び続け、訴え続けたことだった。
…結局、誰も信じてくれなかったけど。
もともとクラスメイトから、よく思われていなかったあたしは、い,じめの格好の餌食だったのだ。
今になって、どれだけ白竜に甘えていたかが、やっとわかった。
どれだけ白竜に溺れていたか。
______どれほど白竜を好きになっていたか。
気づいたときには、もう全部手遅れだった。
今、あたしを見る白竜の目に、もう優しさは無かった。
あたしを好きだと言ってくれた白竜はきっともう居ない。
自業自得だとは、分かっている。
白竜の優しさに甘んじて、他人を拒絶し続けた罰が、今更やってきたのだ。
瞼も閉じず、白竜の姿を目に焼き付けながら泣いた。
涙はいつまでも止まらず、いつしか白竜は去っていた。
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まっちー(プロフ) - 更新今でも待ってます！！ (2020年5月30日 0時) (
レス) id: c61d77fcce (このIDを非表示/違反報告)
あかさ - この作品が定期的に連載していた時からずっと今まで更新を待ってます！！更新お願いします！ (2019年5月1日 17時) (レス) id: 9c507ea6f5 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し - ずっと前からこの小説の更新を待って居ます。更新よろしくお願いします！ (2017年4月17日 15時) (レス) id: c89faa64ce (このIDを非表示/違反報告)
るーう(プロフ) - こんな中途半端で終わらせないで下さい。この小説すごく好きです。お願いします更新再開して下さい。 (2016年4月1日 15時) (レス) id: 0283048378 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ(プロフ) - 2連続失礼します。応援しています！長文失礼しました。 (2015年9月9日 19時) (レス) id: 6af8801ffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梓 | 作成日時：2014年5月7日 22時
